中国人の傷であるだけでなく世界が共有すべき記憶
前列の左から4人目は王海澄さん
中国人の第2次大戦中の苦難の歴史に対する欧米人の無知と無視は、海外の多くの華人の心を痛めている。カナダ南京同郷会会長の王海澄もその一人だ。
王海澄の故郷の旧家は南京の江東門の近く、つまり旧日本軍の大虐殺の跡地の一つである「万人坑」の近くにあった。この住宅はその後、移転され、中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞記念館がこの地に建てられた。
十多年前に中国とカナダをビジネスで行き来し始めた王海澄は、中国人の記憶の中の第2次大戦の史実を多くのカナダ人が信じず、知らないことに気付いた。それどころかトロントの日本人コミュニティは、市政府と市議会の認可を受け、原爆犠牲者のための記念碑を繁華街に建てていた。碑文は、世界で核兵器の犠牲になったのは十数万の日本国民だけだと強調している。「これでは日本がまるで戦争被害者のようではないか」と彼は憤慨した。中国やベトナム、フィリピンなどの第2次大戦のアジアの被害国からの移民のコミュニティが抗議し、記念碑の撤去を求めても、現地政府は動かなかった。
南京同郷会はその時から、カナダ社会に第2次大戦のアジア史の真相を伝えるボランティアを買って出て、南京大虐殺の各種の記念活動の開催に毎年参加して来た。2015年、現地の華人コミュニティは、抗日戦争勝利70周年を記念する資料・写真展をオンタリオ州議会議事堂のホールで開催した。
「南京大虐殺は、南京市民の傷であるだけでなく、また中国国民の傷であるだけでもなく、世界の人びとが共有すべき悲惨な記憶だ。我々は、この間の歴史が真に世界の記憶となることを願っている」と王海澄は語る。「歴史をしっかり記憶してこそ、平和を大切にすることができる」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月16日