麗澤大学特任教授 三潴 正道
「中国人と結婚するっていうことは、愛し合う二人が結婚するってことだけじゃない」
「えっ、そうかな」
「そうよ。あなた、この間、宗親譜の話、してくれたじゃない」
「したよ。中国人は一族の絆がとても強いんだ」
「それそれ。中国人と結婚するんだったら、家族と結婚するくらいの覚悟が必要だって」
「日本人も家族を大切にするじゃない」
「レベルが違うわね。私の友達のおばさん、中国人と結婚したの」
「うまくいってる?」
「いってるわよ。でもぼやいていた」
「なんて?」
「信じられる?結婚したら、一週間もたたないうちに、中国から弟が来たの」
「----」
「台所に四畳半2間よ。そこに一緒に暮らして、それで早く孫をって言われてもねーって」
「ハハハ」
「笑い事じゃないわよ!どういう神経?」
「ごめんごめん、でも中国じゃ珍しくない」
「日本じゃ考えられないわよ」
「前にも話した通り、それが中国人の互いに守り合う絆なのさ」
「それ自体は悪い事じゃないけど、時と場合によるでしょ」
「自分が少しでも仲間を助けられる環境に居たら、できるだけ仲間を助けるんだ」
「----」
「身の危険、衣食住が不便、教育を受けられない、医者にかかれない、どうする?」
「切羽詰まるわ」
「そうさ、過去はそういう事が珍しくなかった」
「弟を呼んだのは教育を受けさせるためだったんだって」
「だろうね。」
「でも、それからが大変。次は従妹も来たの!」
「あり得る」
「あり得るって---。しかも、生活費や教育費まで援助するのよ」
「でも、それで日本にも助け合いグループが一つ誕生する」
「それが大きくなるとチャイナタウンってこと?」
「それにはずいぶん時間がかかるけどね。そう、最初の人はフロンティアさ」
「フー。それが中国人のバイタリティの源なのかもね」
「どこに行っても根を下ろし、花を咲かせ、実をならせる、それが中国人さ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月16日