中国で絶賛上映中の映画「空海―KU-KAI―美しき王妃の謎(中国語名:妖猫伝)」の影響で、同作品で空海役を演じる俳優・染谷将太が話題を集めている。「空海」役のオファーを受けた時の衝撃について染谷は、「自分は空海という高僧とはとても比べものにならないため、正直非常に驚いた」と振り返る。そして1千年前の僧のように、染谷は撮影のため単身訪中し、5ヶ月間滞在し、中国語漬けの日々を過ごしたのだという。その影響で、「日本語を話すシーンが幾つかあったが、内心パニックに襲われた」と笑いを交えて話している。信息時報が報じた。
原作小説は読まずに脚本で「空海」のイメージ作り
「空海―KU-KAI―」の中で染谷は、まるで真相は常に彼の心の中にあるといったような謎めいた微笑みを常に浮かべている。陳凱歌(チェン・カイコー)監督は、「空海の微笑みは日本でもとても有名で、染谷はその特徴を完璧に表現してくれた」と絶賛している。
染谷将太は7歳の時に子役として活動を始め、9歳の時には映画初出演を果たした。そして、第68回ヴェネツィア国際映画祭で、日本人としては初めての受賞となる、最優秀新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した。香港地区の映画スターである梁朝偉(トニー・レオン)も公の場で「大好きな日本人俳優」と絶賛している。そんな染谷が空海を演じるというのは、当然のことと言えるかもしれない。しかし、染谷はインタビューで空海役のオファーを受けた時のことについて、「あの時は本当にびっくりした。『空海』を演じるなんて考えたこともなかった。空海は教科書にも出てくるとても偉大な人物だから」とその衝撃の大きさを明かしている。
子供の頃から知っていた空海という僧の役を引き受けた染谷だが空海ゆかりの高野山に行ったり、原作小説を読んだりすることはせずに、脚本を通してその役を理解することに務めたという。「映画の中の空海のイメージと、これまで僕が想像していた空海のイメージは違っていた。でもそれで却って全く新しい空海のイメージを作ることができた」と染谷。