オーストラリア:圧力は意識の転換のチャンスに
オーストラリアメディアの報道によると、中国の禁止令が施行された後、オーストラリアでは61.9万トンの回収可能ゴミの輸出が影響を受け、その総額は5億2300万豪ドル(約26億8千万元)に達する。オーストラリア放送協会によると、中国の禁止令は大きな影響を生むことになる。市場に大量の回収可能ゴミが流れ込み、価格崩壊が起こるためだ。
オーストラリアのジョッシュ・フライデンバーグ環境・エネルギー相は声明で、中国の禁止令は一部の産業に圧力をもたらしているが、一部の産業にはチャンスを作り出していると指摘している。
オーストラリア廃棄物管理協会(WMAA)のゲイル・スローンCEOは、業界は中国のやり方を理解し、中国が国内の循環経済の発展を推進していることを知らなければならないと指摘する。これはオーストラリアにとっても、自国の循環経済を発展させ、関連産業の雇用を創出するチャンスともなる。
スローン氏は、オーストラリアは、「投入、生産、廃棄」という従来の概念を捨て、「再回収、再利用、再生産」というモデルを設計し、回収可能ゴミを生産者に購入させ、循環利用させるようにしなければならないと語った。
日本:東南アジア諸国が新たな輸出先となる可能性も
日本の回収可能ゴミは長期にわたって中国に大量に輸出されてきた。統計データによると、日本の輸出した廃プラスチックの約半分、古紙の約70%は中国に売却されている。
オーストラリアの状況とは異なり、日本の廃棄物回収処理体系は進んでいる。だが厳しい環境保護基準と細かい処理方式から処理コストは高い。さらに「外国ゴミ」輸入禁止令が実施されるまで、中国の輸入業者の呈示する価格は高く、日本の回収企業はしばしば競争で優位に立つことができなかった。
日本貿易振興機構の発行する『通商弘報』によると、中国の関連政策の変動が日本に与える影響は大きく、日本の回収可能ゴミの中国への輸出は終わりを告げることも考えられる。日本で古紙輸出に従事する業界関係者によると、中国市場を失った後、日本の古紙輸出は東南アジア諸国に向かう可能性がある。
中国環境科学研究院の劉暁宇教授は、「外国ゴミ」の輸入を禁止する中国の政策が、米国やオーストラリア、日本などの伝統的なゴミ輸出国の関連産業に一定の影響を与えることは間違いないと指摘する。だが長期的に見れば、この措置は、中国国内の関連企業による自国の固体廃棄物の処理能力を大幅に高め、回収率を上げ、固体廃棄物処理企業の汚染物質排出量を引き下げ、中国の環境汚染問題の解決を進めるだけでなく、同時に、世界の固体廃棄物の循環利用産業の発展と関連技術の進歩を迫り、世界の生態系の安全に貢献するものともなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月21日