「交通手段」も、「シルバー経済」において革新が必要な重要ポイントだ。研究によると、日本の交通事故の65-70%は高齢者の運転が原因となっている。そのため、自動運転技術、特に高齢者向けの自動運転システムが今後、広く活用される分野となるだろう。
一人暮らしの高齢者向けの家庭用監視カメラシステムの開発も今後必要だろう。第5世代移動通信システム(5G)は間もなく商用化される見込みだ。そうなると、通信速度が非常に速くなり、高齢者の介護にも一役買うようになるだろう。また、オンラインショッピングシステムやVR機器なども高齢者の生活を大きくサポートするようになるだろう。
総じて言うと、高齢化が急速に進んでいるものの、日本の経験からして、中国は過度に心配する必要はなく、モノのインターネットやビッグデータ、ロボット、人工知能などのハイテクをうまく活用できるよう前もって準備していれば、個人、企業、社会の「ウィンウィン」を実現することができるだろう。 (編集KN)
(文:小尾敏夫 早稲田大学電子政府・自治体研究所所長。本記事は小尾所長が2018年5月に復旦大学上海フォーラムで行った講演を基にしています)。
「人民網日本語版」2018年6月30日