多様化された人材を育成、失敗を許す中国企業に学ぶ
サッカーの試合が終わると、サポーターが統一的にゴミ拾いをする。震災後は、人々が列を作り水をもらう。このような現象は日本では日常茶飯事だ。ところが樋口氏は秩序の裏側には個性の否定があると考えている。現在の多元的な社会は、多元的な人材の育成が重要だ。これは未来の百年企業が必要とする人材でもあるという。「従来の日本の企業文化は重く堅苦しく、言うことを聞く社員を必要としていた。規則を守るのは重要だが、企業は自分で現状を変えようとする社員の方を必要としている」樋口氏は、企業は性別・年齢・経験の制限を突破し、組織の壁を破壊しなければ、競争力を手にできないと考えている。
新浪氏は、現在の市場競争で重要になるのは、速度と考えている。「中国企業にも失敗があるが、失敗に対しては寛大だ。重要なのは、やることと、いかにやるかだ。日本企業も失敗を恐れるべきではない。以前は急がば回れと言われていたが、現在は落ち着き動じないことを強調し、さらに速度も上げなければならない」
「安倍首相の訪中成功により、中日の政治関係が改善された。日本企業はいっそう中国市場にシフトし、相互補完を行わなければならない」一橋大学の楠木建則教授は日本企業に対して、チャンスをつかむよう提案した。大半の日本企業には高品質の製品があるが、経営の速度は三流だという。しかし楠木氏は、日本企業は自らの長所を維持すべきと指摘した。「中国企業に効い、速度と効率を上げても自分の特長を失えば、アウトソーシング会社に成り下がるだけだ」
柳井氏はパナソニックの創業者である松下幸之助のファンで、パナソニックがiPhoneのように消費者にとって不可欠になることに期待している。「ユニクロがすべての人に購入できる衣料品を提供したように、パナソニックも合理的な価格と圧倒的なペースで生産しなければならない」