「中日平和友好条約」締結40周年と岡崎嘉平太生誕120周年を記念する「岡崎嘉平太とLT貿易時代」特別展が5日、清華大学美術学院展覧ホールで開幕した。
岡崎嘉平太の写真
岡崎嘉平太は全日空の第2代社長で、中日国交正常化の推進で多大な貢献を成し遂げ、周恩来総理より中日友好の「掘井人(井戸を掘った人)」と称された。中日関係が非常な困難を迎えていた1960年代前半、岡崎は廖承志、松村謙三、高碕達之助ら中日両国の先輩・先賢と共に、「LT貿易」(中国と日本が1962年に締結した「中日長期総合貿易に関する覚書」の通称。LTは廖承志と高碕達之助のイニシャル)という形式を作った。中日交流の「半官半民」の発展を推進し、中日国交正常化の基礎を固めた。岡崎氏は中日関係の再構築と発展に取り組んだことから、中国の指導者から幾度も称賛された。
展覧会の写真
今回の「岡崎嘉平太とLT貿易時代」特別展は、清華大学とANAホールディングス株式会社が共催。中国の大学と日本の有名企業が展覧会を共同開催するという先例を作った。大量の貴重な文献、映像史料、実物、手書きの記録などにより岡崎氏の生涯、特に中日友好交流促進の活き活きとした事例を全面的に展示。また毛沢東、周恩来、郭沫若、廖承志、石橋湛三、松村謙三、高碕達之助、古井喜実など、LT貿易時代に両国の友好関係の発展の基礎を固めた人物と、彼らの業績が紹介された。
あいさつする元文化部副部長の劉徳有氏
元中国文化部副部長の劉徳有氏はあいさつの中で、「戦後の中日関係は民間交流、以民促官、半官半民、中日国交正常化、官民連携という複雑かつ長い道のりを踏まえた。両国の指導者と国民は長期的な共同の努力により、苦しみを重ね今日の中日関係を構築した。無数の有名無名の掘井人の心血が注がれている。岡崎嘉平太はこのような掘井人であり、中日友好と世界平和のため一生奮闘した」と述べた。
あいさつするANAホールディングス株式会社の伊東信一郎会長
ANAホールディングス株式会社の伊東信一郎会長はあいさつの中で、岡崎嘉平太が全日空第2代社長として中日国交正常化を推進するため成し遂げた多くの貢献や、周恩来ら中国の指導者との深い友好を振り返った。また全日空は今回の展覧会により中日両国間の文化・民間交流を促進し、引き続き中日関係の発展のため貢献していきたいと表明した。
あいさつする清華大学党委副書記の向波涛氏
清華大学党委副書記の向波涛氏は開幕式のあいさつで、「中日平和友好条約締結40周年の記念に際し、LT貿易時代前後の中日交流の歩みを温める。その意義は歴史の回顧のみならず、未来を切り開く中日関係に歴史の鑑と未来志向の思想を提供することにある」と指摘した。
あいさつする日本の横井裕駐中国大使
日本の横井裕駐中国大使はあいさつの中で、「清華大学には中国の未来を担う優秀な学生が集っており、ここでの展覧会の開催には重大な意義がある。展覧会により多くの若者が集まり、両国関係の発展を推進した中日両国の先輩の熱い想いを実感してもらいたい」と述べた。
展覧会の関連イベントとして、清華大学日本研究センターは「LT貿易時代の中日関係――岡崎嘉平太と中国」国際学術シンポジウムを開催した。元LT貿易日本側事務所職員、元北京日報日本駐在記者、LT貿易中国側代表の親族、LT貿易研究者が出席した。
今回の展覧会は今月5−27日まで一般開放される。(写真撮影:林昶)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年12月6日