田舎は人口が減少すれば、生活の不便さが際立つ。生活が不便であれば、人口減少も急速に進む。田舎のインフラがどれほど整っていても、人気がなくなることは避けられない。
家は無条件で無料でもらえるわけではない。独身者は40歳以下、家族で済む場合は18歳以下の子供がいることが条件となる。入居者は家の修繕費のほか、不動産税も負担しなければいけない。これらの条件は多くの人を尻込みさせている。そのため、奥多摩町は「家の無料提供」政策を打ち出したが、引っ越してくる人は非常に少ない。
これは日本社会の縮図と言える。住宅過多の本質は人口不足である。好景気の時期、日本の人口は増加し、全国的に大開発が進み、田舎のインフラが完備された。人口が減少すれば、住む人がいなくなり、道を整備する人もいなくなる。
税収と規制が田舎の衰退に拍車かける
日本の田舎が衰退する原因は複雑である。高齢化と都市化も原因だが、経済政策の効果も無視できない。例えば、完備された不動産税政策は、都市部の不動産に影響を与えるが、本当にダメージを受けるのは田舎の家である。古い家に残っているのは高齢者・子供・病人などで、収入が少なく、公共建設の名義で不動産税を徴収するのは追い出そうとしているようなものである。
税収のほか、経済措置も農村経済にさらなるダメージを与えている。中でも最も典型的なのが観光業である。