安倍晋三首相は16日夜11時頃、主要7カ国(G7)首脳テレビ会議の場を利用し、新型コロナウイルスの感染を早期抑制し、東京五輪を「完全な形」で実現するため協力を強化するよう欧米諸国に呼びかけた。
安倍氏は首相官邸で17日朝、日本メディアに今回のテレビ会議の情報を報告した。安倍氏はテレビ会議で、「現下の大変厳しい事態を収束するため、そして世界の人々の不安を和らげるためには、何よりも治療薬を開発することが重要だ。そのためにG7が協力し、そして世界の英知を結集して、治療薬の開発を一気に加速すべきだ。世界経済が非常に大きなマグニチュードで悪影響を受ける懸念がある中において、G7で協調しながらこれに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を実行していく」と述べた。安倍氏によると、この主張は各国首脳から賛同されたという。
安倍氏は東京五輪について、G7テレビ会議で「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証しとして、東京オリンピック・パラリンピックを完全な形で実現する」と述べ、G7首脳の支持を得たという。安倍氏はまた、「新型コロナウイルスは大変手ごわい相手だが、G7でしっかり一致結束して国際社会で共に戦っていけば、必ず打ち勝つことができる」と述べた。
17日付日本経済新聞によると、安倍氏の上述した発言は、日本側が現段階では無観客もしくは簡略化された東京五輪の開催を検討していないことを意味する。
菅義偉内閣官房長官は17日午前の別の記者会見にて、いわゆる「完全な形」とは東京五輪を例年の五輪のように開催することを指すと述べた。菅氏は安倍氏が「延期をまったく考えていない」と強調した。橋本聖子五輪担当相も、「完全な形」とは当然ながら無観客もしくは観客を減らした五輪のことではなく、完全な形と十分な規模を持つものと説明した。橋本氏は、日本側はこの目標に向かい着実に推進すると述べた。また日本政府は国際オリンピック委員会(IOC)を信頼し、今回の五輪を正常に開催する決意を下せるよう働きかけるという。
しかし多くの人(特に日本人)は、西側の一部の国の新型コロナウイルスに関する消極的な態度は、日本の五輪開催に向けた準備の足を引っ張っていると見ている。
英国の「集団免疫」政策により新型コロナウイルスが英国で拡散しており、日本側を不安に陥れている。NHKは15日、徳仁天皇夫妻が今年5月上旬に訪英を予定していたが、政府は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を考慮し、延期の検討に入っていると伝えた。