文=郭暁兵・中国現代国際関係研究院軍縮研究センター長
日本の安倍晋三元首相は先ほど公の場で、米国との「核共有」の実現について騒ぎ立て、議論した。日本の岸田文雄首相が1日、「非核三原則」を堅持する立場に変化はなく、自国領に米国の核兵器を配備し共同運用することは許されないと表明したが、日本の右翼政治家が核兵器の保有と製造を叫ぶのは今日に始まったことではない。ただ日本国内に根強い核兵器反対の感情により、現在まで実質的な進展がないだけだ。
日本が「核共有」を目指すことは何を意味するのだろうか。これはまず、日本が非核三原則を突破し、本土に米国の核兵器を導入することを意味する。
次に、これは日本が戦時に米国の日本における核兵器の支配権・使用権を得ることを意味する。
さらに、これは米国の核兵器が朝鮮半島及び台湾に回帰するための扉を開くことを意味する。
最後に、これは日本がより大胆に核兵器の研究開発と配備について検討することを意味する。
日本の右翼政治家が絶えず核の問題を持ち出すのは、日本社会に徐々に核をタブーとする伝統を捨てさせ、核兵器保有を「正常な」国家安全の需要と見なし、核兵器配備を合理的な計画とし、最終的に核兵器開発を至極当然な選択肢とするためだ。しかも技術的に言えば、日本が核のハードルを飛び越え、核兵器を開発するのは難しいことではない。
安倍氏が「核共有」を騒ぐことには、岸田内閣の外交・安全政策に影響を及ぼす、さらには抑制する意味合いが込められている。自民党内の最大派閥の清和会を率いており、実の弟の岸信夫氏が防衛大臣に就任していることから、安倍氏の発言の影響は侮れない。また安倍氏が首相を辞任した後も議員を続けているため、将来的に首相に返り咲く可能性を否定できないとの分析もある。この核兵器に関する政策の主張が実行に移され、さらには日本の核兵器政策を徹底的に変える可能性が懸念されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月2日