日印の「蜜月関係」、固有の食い違いを隠せず

中国網日本語版  |  2022-03-21

日印の「蜜月関係」、固有の食い違いを隠せず。

タグ:岸田文雄 インド

発信時間:2022-03-21 15:03:03 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の岸田文雄首相は今月19−20日にインドを訪問し、インドのモディ首相と会談し、数多くの内容で合意した。今年は両国の国交樹立70周年で、日本の首相によるインド訪問は4年半ぶりとなった。これは日本のインドに対する戦略的重視を浮き彫りにした。一連の成果を見ると、日印関係は安倍時代以降の「蜜月」を維持しており、国際的な大変動における両国の相互依存を反映している。「環球時報」が伝えた。

 

 言うまでもなく、日印の歩み寄りの裏には「中国対抗」という地政学的な考えと、経済競争の計算がある。日印各自の国内政治環境は、中国の「インド太平洋」における実力の拡大を共にけん制し、中国と「インド太平洋の秩序」の主導権を争奪しようとする政治家がいる。双方は「共同声明」の中で、「威圧のない、自由で開かれたインド太平洋地域を実現するという共通の願い」を再確認したと称した。

 

 しかし日印の「インド太平洋戦略」における利益の関心事が必ずしも一致するとは限らないことに注意すべきだ。

 

 まず、日印の「インド太平洋」における戦略的目標が異なる。日本は「インド太平洋」戦略を中国けん制の手がかりとしており、その着眼点は中国と東アジアの海洋秩序の主導権を争奪することにある。インドを持ち上げるのは主に中国対抗の資本を増やすためだ。インドの中心的な関心事は、南アジア地域及びインド洋にある。米日主導の「インド太平洋戦略」に加わるのは機会主義的な考えによるもので、米日の影響力を利用しその南アジアの覇者としての地位を固めると同時に、大国関係を利用し自身の大国としての影響力をアピールできる。

 

 次に、日印は米国の「インド太平洋戦略」に対しても温度差がある。米国に極力迎合し戦略面で強く結ばれている日本と異なり、インドは終始米国の誘いかけに対して警戒心を保ち、米日がインドを持ち上げようとする政治的な意図も熟知している。ロシアとウクライナの衝突に対する態度を見ると、インドが軽率に西側の懐に飛び込むことはない。「独立自主」の外交戦略の方針を堅持すれば、インドが米日の中国けん制の指揮棒に完全に従い踊ることはない。

 

 日印は双方の関係を「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」としており、アジアの大国としてアジアの繁栄・安定の重責を担っている。日印関係の発展は「共に中国に対処」によって団結力と駆動力を得るのではなく、共にアジアを振興しようとするより強い大国としての自覚が必要だ。さもなければ自国を矮小化させ、自国に手枷をかけることになる。日印関係も掘り下げと長期維持が困難になるだろう。(筆者・項昊宇中国国際問題研究院アジア太平洋研究所客員研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年3月21日

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