戦線を拡大すれば、日本は再び失われた10年へ

中国網日本語版  |  2022-04-15

戦線を拡大すれば、日本は再び失われた10年へ。 日本メディアは今回の会合の終了から1週間もたたないうちに、米英豪安全保障協力「AUKUS(オーカス)」の人員が日本側に参加もしくは協力を打診したと伝えた…

タグ:オーカス 安全保障協力 ロシア 制裁

発信時間:2022-04-15 14:30:37 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 先ほど開催されたNATO外相会合は初めて、日本、韓国、豪州、NZを「アジア協力パートナー」として招待した。NATOのストルテンベルグ事務総長はさらに、中国を「将来の重大な安全リスクの一つ」として列挙した。NATOが中国周辺に手を伸ばそうとしているのではないか、と疑問を禁じえない動きが多く見られる。(筆者・劉慶彬 横浜国立大学北京センター)


 日本メディアは今回の会合の終了から1週間もたたないうちに、米英豪安全保障協力「AUKUS(オーカス)」の人員が日本側に参加もしくは協力を打診したと伝えた。日本政府はその翌日、この噂を否定した。しかしロシアとウクライナの衝突という戦略的な背景があり、軍事安全面で日本と米英及びNATOとの距離が近づいていると分析する声もある。今後、尹錫悦氏が率いる韓国も、この軌道に乗るかもしれない。


 NATOは米国が世界で覇を唱えるためのツールであり、当然ながら最終的には米国の利益に奉仕する。米国が中国をより長期的な「戦略的競争相手」としているため、NATOが日本や韓国などのアジア諸国を招くのは、実際には将来的な地政学的競争に向け準備を整えるためだ。その目標が中国けん制であることは明らかだ。オーカスが日本を参加させようとしているという噂も、実際には米英というNATOの「主軸」による、「アジア版NATO」を構築しようとする戦略的目標の安全保障を増やすことが狙いだ。


 しかし日本側は一つの問題について考えなければならない。ソ連解体後、NATOが東進を続け、ついにロシアとウクライナの衝突という悲惨な「中盤」を迎えた。「平和憲法」を施行中の日本はこの「契機」を利用し平和の道を捨て、「世界最大の軍事同盟」に加わり、その後ロシア、中国、朝鮮に同時に対応するのだろうか、戦後日本にもいわゆる「戦略界」があるが、彼らは中国とロシアに同時に挑戦してはならないという、重大な共通認識を形成した。日本が制裁に加わったことから、ロシアは日本を「非友好国」とし、領土問題及び平和条約をめぐる交渉を停止した。日本はこれに遺憾の意を示し厳重抗議したが、これは日本の安全の苦境と戦略的な窮迫を反映した。


 今回の対露制裁を見ると、日本は米国及び西側に最もぴったり追随しているアジア諸国の一つだ。しかもウクライナへの作戦物資の提供をめぐり、日本は探りを入れる動きを見せており、キエフに防弾チョッキを送った。興味深いことに、日本の主要紙が言及を回避しているが、「日刊ゲンダイ」は新任の駐日米国大使の「影響力」について指摘した。「日刊ゲンダイ」は日本による最近の一連の対露措置について、駐日米国大使が日本の政策決定面で「主導権」を発揮したと伝えた。これは令和版マッカーサーと呼んでも差し支えないだろう。


 遠い欧州の戦いが人々の心を揺さぶっているが、制裁は問題を解決しない。筆者は日本の識者が掲げている、「制裁だけではなく救済する。今後のエネルギー危機や食糧危機をめぐり、日本が救済面で主導権を発揮する」という観点を強く支持する。これらの識者は、NATOが日本や韓国などのアジア諸国をNATO外相会合に招待したが、日本に救済ではなく各国と共に火に油を注ぐよう求めていることは明らかだと見ている。林芳正氏を始めとする日本の外交当局の欧州における発言は、これらの日本の識者を筆者と同じく大いに失望させている。


 日本は米国の指揮棒に従い東と西を駆けずり回り「戦線」を拡大しているが、肝心要の時に断裂する可能性が高い。機会コストは常に存在する。日本がさらに10年失われたくなければ、表面的にあいまいであっても自国の明確な戦略を持つべきだ。世界は百年に一度の大変動に直面しているが、筆者はこれまでよりもさらに独立した自主的な日本に期待している。価値観の基礎が畢竟、価値であるからだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月15日

 

 

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