日本が中央アジアで外交攻勢、その狙いは?

中国網日本語版  |  2022-04-20

日本が中央アジアで外交攻勢、その狙いは?。日本が「中央アジア議題」の策定を急いでいることからは、岸田政権が「安倍路線」を継承し、中央アジア諸国を中国の地域的な影響力をけん制し弱めるための重要な足がかりとし…

タグ:ウクライナ 外交 中央アジア 投融資

発信時間:2022-04-20 14:45:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の林芳正外相はこのほど、中央アジア5カ国外相とオンライン会合を開いた。さらに今月末にはカザフスタンとウズベキスタンを歴訪する予定だ。日本メディアの報道によると、ロシアとウクライナの衝突、「過度な中国依存への警戒」と日本の「高品質投資」のアピールが、林氏と中央アジア諸国の外相の重要な議題となっている。世界がユーラシア大陸西端のウクライナ情勢に目を向けるなか、日本は中央アジアの奥地で異例の外交攻勢をかけているが、これには多くの狙いが隠されている。(筆者=趙隆・上海国際問題研究院研究員)


 (一)隙を突き、既存の地域構造をかき乱す。中央アジアはこれまで、ロシアの対外戦略と周辺外交の中心地とされてきた。中央アジア諸国とロシアの政治、経済、社会、文化のつながりは極めて緊密だ。ロシアとウクライナの衝突後、日本は極力欧米の政策と足並みをそろえようとし、ロシアに対して広範な経済・貿易・金融制裁を実施した。これを受けロシアは、日本との平和条約締結をめぐる交渉を停止し、関連する共同経済活動・交流を終了すると発表した。日露関係が冷え込むなか、日本はロシアの戦略的な重心が西への「傾斜」を強いられているチャンスをつかみ、中央アジア諸国との国交樹立30周年という節目を利用し、一部の国の多元化外交の方針に能動的に迎合することで、中央アジアを試験田とし米国の中露に対する「ダブルけん制」プランに協力し、中露の「ダブルエンジン」が共にけん引する地域の発展構造をかき乱そうとしている。


 (二)いわゆる「代替案」を提供し中国をけん制する。日本が国際的な場で最近いわゆる「中国の脅威」「債務の罠」の喧伝を強めていることから、日本がこのタイミングで中央アジア諸国との協力を大々的に促進することには、「一帯一路」イニシアチブの関連諸国への吸引力を弱め、さらに「高品質で責任ある」投融資計画を強調し、関連諸国にいわゆる中露に依存しない「第3の道」を提供するという中心的な狙いがある。注意すべきは、日本がさらに米国の中央アジア戦略を参考にし、カザフスタンとウズベキスタンを中央アジア協力の戦略的な「ダブル支点」にしようとしていることだ、統計によると、日本の両国への投資総額はすでに110億ドルを超えている。林氏は今回の歴訪で、新たな二国間投資・援助計画を発表し、中央アジア支点国から日本の「建設的な役割」への賛同を得ようとする可能性がある。


 (三)存在感をアピールし、自国の戦略的需要を満たす。日本はロシアとウクライナの衝突の当事国ではないが、「主役」を目指し敏感な問題を自国のために利用しようとする衝動を示している。衝突による国連の「機能不全」への疑問を利用し、再び安保理改革と日本の常任理事国入りの問題を熱心に取り上げ、同じ「敗戦国」であるドイツの防衛政策の調整を根拠に、改憲といわゆる「正常な国」の実現を促そうとしている。日本は、今やロシアとウクライナの衝突をめぐる別の「シャトル外交」に中央アジアを組み入れ、国際的なホットな問題において大国のイメージを強化し、さらに再び常任理事国入りに向け機運を高めることができると判断している。その一方、日本のエネルギー自給率は11%のみで、G7と足並みをそろえ対露エネルギー制裁を実施できない。「サハリン2」「アークティックLNG2」などの日本が投資に加わるエネルギープロジェクトを保留している。しかしロシアが「非友好国」に向け天然ガス貿易の強制的なルーブル決済を掲げたことで、日露エネルギー協力の持続可能性が疑問視されている。そこで日本は改めて中央アジアをエネルギー輸入多元化ルートの開拓の対照とし、「技術と資源を交換」というモデルを参考にし、油ガス及びウラン鉱などの希少金属の貿易協力を模索する可能性がある。


 全体的に見ると、日本が「中央アジア議題」の策定を急いでいることからは、岸田政権が「安倍路線」を継承し、中央アジア諸国を中国の地域的な影響力をけん制し弱めるための重要な足がかりとし、周辺外交の新たな突破を目指そうとしていることが分かる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月20日

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