ロシアとウクライナの衝突の勃発後、衝突地域から千里も離れている日本が異様な「興奮」を示している。米国に追随し積極的に対露制裁するほか、日本はさらに衝突を利用し「中露の脅威」を喧伝し、自国の軍事的な主導権をさらに強化しようとしている。国内では与党・自民党が「反撃能力」の構築を提案している。海外では、日本側は一部の西側諸国との軍事協力の強化を続けている。
日本は常に外部の脅威により軍事力発展の壁を減らそうとしている。日本政府は現在のロシアとウクライナの軍事衝突を受け、軍事力発展の得難い時期を迎えたと感じている。
「日本経済新聞」が先月25日に発表した世論調査によると、政府が国防予算の対GDP比を2%以上に引き上げるに「賛成」は55%、「反対」は33%。「読売新聞」などの日本主流メディアが最近発表した世論調査も同様だ。これは政府による軍備発展、防衛力の強化を支持する日本人が増えているということだ。
また、米国の総合的な実力が相対的に落ちていることから、日本は大胆に軍事面の規制の緩和を急いでいる。中国と米国による近年の戦略的駆け引きのエスカレートを受け、米国は日本などのアジアの同盟国が自国の防衛力を強化し、より大きな力を発揮することに期待している。ある日本主流メディアの関係者は「環球時報」に、「ロシアとウクライナの衝突により、米国はインド太平洋事業に専念できなくなった。これを受け米国は、中国をけん制し米国のインド太平洋戦略を推進するため、日本による軍事力の強化を奨励・支持している」と述べた。
それならば、米国は日本の軍事力発展を放任するだろうか。ある中国の国際問題専門家は8日、環球時報に対して「現在の国際環境下において、日本による自国のミサイルもしくはその他の攻撃的な武器の発展は米国から支持されるが、これは日本を完全に放任するというわけではない。日本に核兵器などの戦略的武器を発展させない、日本の軍事力発展は米国の制御を脱してはならない、これが米国のボトムラインだ。米国は日本での軍隊駐留を維持する」と述べた。
中国現代国際関係研究院の副院長で研究員の胡継平氏は8日、「環球時報」の取材に応じた際に、「米日は中露に対して同じ戦略的利益を持っている。そのため米国は日本の軍事力発展を容認するが、米日の戦略的利益が永遠に一致することはない。ゆえに米国のこのやり方による結果は予想困難だ」と述べた。昨年12月7日、日本による真珠湾奇襲80周年記念日の同日、日本の右翼団体「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバー約100人が靖国神社を参拝した。これは日本人がアジアに対する侵略と植民地支配の歴史を忘れるが、米国に負けた「恥」を忘れることはないと、人々に注意を促した。米国もこれに気づいていないはずがない。
日本国内の経済と政治を見ると、日本の軍事的な束縛の緩和は順調に続きそうにない。神奈川大学の教授は、「仮に日本経済の年間成長率を2%とする場合、日本は10年連続で前年比9.5%の成長を維持するか、15年連続で前年比7%の成長を維持しなければ、国防予算の対GDP比を2%にすることができない」と述べた。また公明党は「平和の党」を金看板にしている。夏の参院選を控えるなか、公明党は防衛問題が重要な話題になることを願っていない。
日本国内では改憲に反対する声も強い。日本の「市民意見広告運動」は「朝日新聞」などの4紙に広告を掲載し、改憲に反対した。共同通信が1日に発表した世論調査によると、憲法9条改正の必要性が「ある」は50%で、「ない」は48%と拮抗している。岸田氏が自民党総裁任期中に目指す改憲の機運は、国民の間で「高まっていない」が「どちらかといえば」を含め計70%にのぼった。日本の多くのメディアも日本の軍事力強化に警戒を強めており、これが軍備競争を引き起こしかねないとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月9日