米日印豪「クアッド」首脳会議がこのほど、日本の東京で開かれた。首脳会議はいわゆる「共同声明」の中で、「インド太平洋」及び世界平和を守り、国際秩序を守る云々と称した。いわゆる「インド太平洋戦略」を実行するため、米国はクアッドや「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」などあらゆる手段を講じている。新華網が伝えた。
ところが頻繁に世界各地で動乱と戦争を引き起こす米国に、平和を守る信用などあるだろうか。国際社会は米国の美しいスローガンの裏にどのような下心が隠されているかを知り抜いている。
旗印を変えようとも、私利のため世界を乱すことも顧みない米国の本質が変わることはない。「コントロール可能な動乱」を引き起こすことは常に、米国が世界の「羊毛」を刈り取り、その覇権を守るための重要な「武器」だ。米国が火に油を注いだからこそ、ロシアとウクライナの衝突がエスカレートし、欧州大陸で戦火が再燃している。また米国が戦争を引き起こしたからこそ、中東やアフリカなどの多くの国が動乱に陥った。今や米国はアジア太平洋で動乱を引き起こし、「コントロール可能な動乱」から引き続き漁夫の利を得ようとしている。
米国には「国際秩序を守る」と語る資格などまったくない。ほしいままに各国に対して一方的な制裁を発動し、国連「生物兵器禁止条約」議定書草案の交渉を単独で妨害し、国連の「子どもの権利条約」や「女子差別撤廃条約」など多くの国際条約の批准を拒否している。米国はまさに国際ルールと秩序にとって最大の破壊者だ。今になりアジア太平洋の「秩序を守る」と大々的に唱えているが、米国はどのような秩序を守るというのか。それはその覇権に有利ないわゆる「秩序」であり、アジア太平洋の平和と発展に有利な秩序ではない。
地域諸国を含む国際社会は、米国が地域の「自由と開放」を守るという旗印を掲げているが、実際には分裂と対抗という悪事を働いていることを知っている。脳内には冷戦思考が満ち溢れ、ゼロサムゲームを展開する。その目的は、一部のアジア太平洋諸国をその覇権の「手先」とし、中国を包囲することだ。いわゆる「インド太平洋戦略」は本質的に、分裂を引き起こし対抗を煽り平和を破壊するモノだ。どのように飾りつけようとも、どのように見た目を変えようとも、その醜い邪な本質に変化はない。
アジア太平洋は世界で最も発展目覚ましい、潜在力が最大の、協力の活力が最大の地域であり、共同発展の将来性は無限だ。地域の主流の声は、各国の友好交流と協力・ウィンウィンだ。中国はアジア太平洋の重要な経済体、地域の圧倒的多数の国にとって最大の貿易パートナーであり、地域諸国の利益とすでに深く融合している。地域諸国はいずれも、中国と米国という2大国の間で立場表明を強いられることを望んでいない。「インド太平洋戦略」は圧倒的多数の国の期待を無視し、分裂と対抗を引き起こし、開放と協力を破壊することも厭わない。その動機は不義、その行為は自己中心的であり、失敗の運命を避けられない。
インド・オブザーバー研究財団ムンバイ地域のクルカルニ前所長は、「米国は自国の安全と利益にしか関心を寄せない。クアッドはアジアにとって、全世界にとって危険だ」と述べた。東日本国際大学の西園寺一晃客員教授は、「米国の徒党を組むやり方は地域の平和と繁栄に背く。この時代遅れの冷戦思考は分裂と対立、排斥とヘイトをもたらすのみだ」と指摘した。
米国がアジアで平和と自由を守るとは嘘で、動乱と不安を引き起こすことが本当の狙いだ。開放と協力を促進するとは嘘で、その政治・経済の覇権を守ることが本当の狙いだ。世界の「動乱源」という米国の本質はとっくの昔に公認されている。どのような美しい旗印を掲げようとも、世界の人々を騙すことはできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月27日