同時に岸田政権は発足後、「新資本主義」という発展理念を提唱・推進している。この理念は経済の「成長」と「分配」の好循環の実現を重要な手段としている。しかし周知の通り、日本国内は少子高齢化などの持続的な経済・社会問題に直面しており、財政や金融などの政策の余地が極めて少ない。岸田政権が新資本主義を進展させようとするならば、対外経済協力、特に中米という2つの重要な経済・貿易パートナーとの関係を適切に処理する必要がある。岸田政権は頑なに中国けん制のIPEFに加入したが、これは中日の経済・貿易協力の良好な交流に必然的に影響を及ぼし、さらに日本経済の「成長」と「分配」の好循環に影響を及ぼし、岸田政権の新資本主義の理念を骨抜きにする。
岸田政権による冷戦的な色合いの強いIPEFへの参加は、予定の目標を達成できないばかりか、中日ひいてはアジア太平洋の経済協力の深い発展を妨げ、日本自身の経済回復にも多くの悪影響を生む。これは典型的な「人に損失を与えても自分の利にはならない」であり、得よりも損が大きくなるだけだ。(筆者・于海龍 中共中央党校(国家行政学院)国際戦略研究院の学者)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月25日