強制労働と「慰安婦」 日本の人権侵害の否認は許されない

中国網日本語版  |  2022-07-08

強制労働と「慰安婦」 日本の人権侵害の否認は許されない。強制労働や「慰安婦」などの歴史遺留問題により、日韓関係は近年悪化している…

タグ:強制労働 賠償問題 企業訴訟 遺産

発信時間:2022-07-08 09:34:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 韓国政府は第二次世界大戦中の日本強制労働被害者賠償問題を解決するために設立した官民協議体制を4日に始動し、韓国社会で関心が再び高まっている。

 

 強制労働や「慰安婦」などの歴史遺留問題により、日韓関係は近年悪化している。日本は犯罪行為をぼかすことに力を入れ、行為を全く反省しておらず、韓国の世間からは日本の人権侵害という悪辣な行為の批判と責任逃れを許すことはできないと指摘されている。

 

 日本は1910年から1945年までの朝鮮半島植民統治機関、大勢の労働者を日本に徴集し、肉体労働を強いた。韓国の統計によると、強制徴収された朝鮮半島の労働者は78万人に上る。これらの労働者は言葉に騙されたり、脅迫されたりして日本で働かされ、非人道的な待遇を受け、多くの人が苦しみながら亡くなった。

 

 例を挙げると、韓国の労働者訴訟案で、強制徴収された2人の女性労働者は当時まだ10代前半だった。彼女たちは就学と金儲けという言葉に騙されて日本の名古屋に行き、三菱重工の飛行機工場で奴隷のように働かされ、1人は死亡し、もう1人はひどい火傷を負った。

 

 長期にわたり、韓国の強制労働被害者と遺族は何度も日本側に訴訟を起こしてきたが、日本政府と関連企業は両国が1965年に締結した『日韓請求権協定』は訴訟問題をすでに解決しているとして訴訟を拒否している。韓国最高裁判所は2018年、三件の訴訟案の最終判決を下し、『日韓請求権協定』は強制動労被害者の企業訴訟を妨げないとし、日本企業に賠償を命じた。これに対し日本側は、韓国側は「国際法に反している」と主張し、韓国側に経済報復まで行い、韓国に輸出する半導体産業の一部の重要原材料に規制を設けた。これは韓国の官民から強い不満を引き起こし、日韓関係は最悪の状態に陥った。

 

 日本は強制労働被害者への賠償を拒否しただけでなく、その歴史的事実をぼかし粉飾し、労働者の血と涙に塗れた工場や鉱山などを文化遺産に変え、韓国各界を怒らせた。

 

 2015年、日本は悪名高い「軍艦島」を含む23カ所の産業遺跡を「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に申請した。韓国側はこれについて、これらの遺跡には日本が朝鮮半島の労働者を強制労働させた7カ所の施設が含まれており、約6万人の労働者が第二次世界大戦中にこれらの工場で被人道的な労働を強いられ、大勢が虐待死したと指摘し、日本側の遺産申請計画に反対した。

 

 韓国側の反対を受け、日本側は情報センターを設立し歴史を説明するなど、強制労働の史実を世間に説明する措置をとることを約束し、最終的に世界遺産登録を実現した。しかし、情報センターが2020年の設立後に公開した資料は歴史を歪曲し、真相を隠し、外国人労働者の強制労働は存在しなかったと主張した。日本政府の約束を守らない言動は韓国社会から批判された。

 

 今年2月、日本政府は常套手段をとり、韓国側の何度もの警告を顧みず、新潟県佐渡市の佐渡金山を世界文化遺産に推薦することを決めた。韓国メディアは、第二次世界大戦中、戦争物資の供給確保のため、日本が強制徴集した約1200人の朝鮮半島労働者はこの金鉱で残酷な労働を強いられたと伝えた。勤務環境が悪く抑圧されていたため、多くの労働者がのちに肺塵症などで死亡した。韓国政府は日本の佐渡金山の世界遺産申請に抗議したが、日本側は韓国側は両国関係悪化の責任を負うべきと反発した。

 

「慰安婦」強制の犯罪行為をぼかす

 

 5月2日、韓国民間団体「正義記憶連帯」は「慰安婦」被害者がまた1人逝去したことを公表した。これにより、韓国が記録している「慰安婦」被害者240人中、存命しているのはわずか11人となった。

 

 「慰安婦」強制は日本政府と軍隊が計画的、組織的に行った重大な非人道的犯罪行為で、日本軍国主義による人権を踏みにじる野蛮な行為である。韓国の公式データによると、日本の朝鮮半島植民統治期間、6~16万人の朝鮮半島の女性が日本軍の「慰安婦」となった。

 

 しかし、日本政府はこの犯罪行為を幾度となく無視し、反省と謝罪を拒否し、真相を隠し責任を逃れようとしている。

 

 「慰安婦」問題を逆戻りさせず「最終決着」させるため、日本政府は2015年12月に韓国政府と「慰安婦」問題の「責任を負い」、韓国政府主導の「和解・癒やし財団」に10億円を出資することで合意した。しかし、日本側は出資は「国家賠償」ではなく「協力事業」だと主張し、「責任」が法的責任か道義的責任かを説明しなかった。

 

 同協定は韓国で広く反対・批判され、ある元「慰安婦」は協定を「全く認めない」と明確な態度を示した。韓国の世間は、日本はこの協定を利用して責任逃れをしようとしていると考える。あるメディアは、同協定は「韓国現代史の屈辱」と「外交の悲劇」だと論じた。文在寅政権は2018年11月に「和解・癒やし財団」の解散を宣言した。

 

 昨年4月、日本の内閣は「慰安婦」や強制労働などに対し「従軍慰安婦」と「強制連行」という表現を使用せず、「慰安婦」と「徴用」を用いることを決めた。その理由は「誤解を招く可能性がある」ためだという。その後、日本の多くの歴史教科書が「慰安婦」関連の記述を書き換え、文部科学省に認可された。

 

 日本側の日本軍の犯罪行為と人権侵害をぼかそうとする行為について、韓国外交部は、日本側は歴史問題に関する過ちを認める必要があり、逆行する言動をしてはならず、歴史問題解決に向けた誠意を見せるべきだと指摘した。

 

 韓国の『韓民族日報』は以下のように論じた。日本政府がどれほど否認しても、「慰安婦」強制は女性に対する戦争犯罪であり、無かったことにはできない。歴史の真相をごまかすことはできず、日本は法的責任を負うべきである。韓国も広く宣伝し、国際社会が心に刻み、共同で解決すべき人権問題だと認識する必要がある。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年7月8日

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