首都師範大学スペイン語学科の通訳専門講師である姜歌さんは、長年にわたって通訳の研究と教育に従事し、スペイン語通訳の世界に入って8年となり、豊かな経験を積み重ねてきた。同時通訳者でもある姜歌さんは、その楽しみと苦しみを知っている。教師としても、同時通訳の分野に対して独自の見解を持っている。
集中力が最大の挑戦
姜歌さんが最初に行った同時通訳は、ある観光局副局長に付き添って通訳する仕事だった。今思い出しても緊張する。姜歌さんは、当時の感覚をとにかく「怖かった」と語る。間違いを犯すのが怖く、ついていけないのが怖く、よく聞こえないのが怖く、反応が遅いのが怖く、他人に間違いを指摘されるのはもと怖かった。事前の準備作業だけで、姜歌さんは半月近くを費やしたという。それにもかかわらず仕事が始まる前の晩は、さまざまな場景が頭に浮かび、緊張して眠れなかったという。だが姜歌さんは、今考えれば、通訳にとっては緊張も悪いことではなかったと語る。注意力を集中させ、いつも以上の力を発揮できるようになるからだ。
同時通訳のブースに入ったのもこの時が初めてだった。姜歌さんによると、このブースは、同時通訳界でのよくできた施設と言える。通訳と外界とが隔てられるため、同時通訳者は観衆に直面する必要がない。この角度から言えば、同時通訳のプレッシャーは逐次通訳よりも小さいとも言える。逐次通訳では、翻訳者はいつでも観衆の反応が見えるため、その後の翻訳の集中力にも影響が出やすい。姜歌さんによると、集中力は、同時通訳の仕事で最も重要な要素の一つで、最大の挑戦の一つでもある。姜歌さんはブースに入る時、全世界に自分とスペイン語しかないと感じる。そしてすべての精神を仕事に集中させる。すると心も逆に軽くなってくる。
スペイン語は喋る速度が速いので知られる。だが姜歌さんにとってこれは問題ではない。それよりも厄介なのは、話の前後の論理的関係が不明確な時だ。そうした状況に遭遇するたび、姜歌さんの仕事も非常に困難となる。口語的な内容が多く、話しているうちに別の話題となり、突然、詩歌の一説や名言が飛び出し、話の前後のつながりや論理が途切れてしまう。とりわけ自由な質問と回答の時間となると、発言者はさらに自由奔放となり、気の向くままに語り、背景知識の情報量も大きくなり、論理的な関係もはっきりしなくなることが多い。そんな時は姜歌さんも対応しきれず、為す術もなくなってしまう。
ビッグデータ時代の到来については、姜歌さんは、自分もデータは大好きだが、人間による翻訳は50年以内にロボットに完全に代替されてしまうのではないかと考えている。
中国語対訳:
姜歌,首都师范大学西班牙语系口译教师,从事口译研究及教育工作多年,进入西语口译圈已有八年之久,经验极为丰富。作为一名同传工作者,姜歌深知其中的快乐与痛苦;作为一名教师,她对同传口译领域也有着独到的见解。
面对的挑战姜歌第一次的同传经历是给某旅游局的副局长做陪同翻译,现在回忆起来,依然倍感紧张。姜歌说,当时的她深切感觉到了“害怕”两个字:怕犯错,怕跟不上,怕听不清,怕反应慢,更怕别人挑错。仅仅是前期的准备工作,她就足足花费了近半个月时间。尽管如此,临到开工前一晚,她依然因为紧张而难以入眠,脑子里不断在想象各种可能出现的场景。姜歌说,现在想来,对翻译而言,可能紧张反倒是一件好事儿,有助于集中注意力,超常发挥。这也是她第一次走进“小黑屋”,即同传间。姜歌认为,“小黑屋”是同传界一个不错的设置,因为它将翻译与外界分隔开来,使得同传工作者不必直面观众。从这个角度来看,同传的压力比起交传似乎反而要小一些,因为交传的过程让翻译者随时能够接收观众的反馈,反而容易影响其随后翻译工作的专注度。在姜歌的眼里,专注度是同传工作中最重要的一环,也是最大的挑战之一。每当她走进“小黑屋”,她便感觉全世界只剩下她和西语了,于是,她全神贯注投入工作,心境反而轻松下来。众所周知,西班牙语的语速特别快,但对姜歌来说,这倒不成问题。相比之下,更困扰她的反而是语言的前后逻辑性不明确。每当遇到这样的情况,姜歌的工作就会变得非常困难:口语化的内容太多,说着说着就跑题,突然冒出一句诗歌或名言,语句前后衔接逻辑有问题等等。特别是到了自由问答的环节,发言者极有可能天马行空,随性发挥,背景知识信息量巨大,而逻辑上又不清晰,这些都会让姜歌感到猝不及防,束手无策。关于大数据时代的来临,姜歌表示,她本人是个不折不扣“数据控”,她预测人力翻译将会在50年内完全被机器取代。