⒊ 中央から地方への租税還付金及び移転支出についての予算配分状況
移転支出構造を一段と最適化させるため、二〇一一年度に中央から地方への租税還付金と移転支出を一五・三%増の三兆七三一〇億元とする。内訳は、租税還付金が一・四%増の五〇六七億九九〇〇万元、一般的移転支出は一八・五%増の一兆七三三六億七七〇〇万元、特別移転支出は一七・一%増の一兆四九〇五億二四〇〇万元である。一般的移転支出の内、財政力の地域的バランスをとることを目的とする移転支出は二一・二%増の六六〇九億一一〇〇万元である。この部分の支出にはさらに次のような科目が含まれている。県クラスの基本的財政力保障メカニズムの奨励・補助金に七七五億元を計上することにより、末端政府の基本的公共サービスの提供能力を高める。三江源(長江、黄河、瀾滄江の水源地)など生態機能区の財政保障能力の向上支援に三〇〇億元を計上する。民族地区への移転支出として三七〇億元を計上し、チベットや新疆など少数民族地区の飛躍的な発展の実現をサポートする。資源枯渇型都市への移転支出制度を引き続き実施するため、一三五億元を計上する。精製油の税・費用改革支援を目的とする移転支出は五八一億元である。
(四)政府系基金の予算配分状況について
二〇一一年度の中央政府系基金の収入予算額は二八二六億二七〇〇万元で、前年度より一一%減とする。その内、鉄道整備基金の収入は六四八億元、港湾整備費の収入は一二三億九三〇〇万元、民間空港管理・整備費の収入は一四七億三二〇〇万元、宝くじ公益金の収入は二六一億五〇〇〇万元、大中型ダム建設による住民移転後期支援基金の収入は一九八億一一〇〇万元、中央レベルの農村電力網融資返済資金の収入は九六億一〇〇万元、などである。さらに、前年度の繰越金七九〇億一六〇〇万元をこれに加算すると、配分可能な中央政府系基金の収入総額は三六一六億四三〇〇万元となる。一方、中央政府系基金の支出予算額は三六一六億四三〇〇万元で、一九・九%増とする。その内訳は次の通りである。①中央レベルの支出額は四・四%増の二三八四億九三〇〇万元である。この支出額のなかには、鉄道整備の支出六八二億九二〇〇万元、港湾整備の支出一〇一億七一〇〇万元、民間空港管理・整備の支出八七億七七〇〇万元、社会福祉やスポーツ、教育など社会公益事業に振り向ける宝くじ公益金の支出二四四億二〇〇万元、大中型ダム建設による住民移転後期支援基金の支出四七〇〇万元、中央レベルの農村電力網融資返済資金の支出一〇五億九五〇〇万元などが含まれる。②地方への移転支出は一二三一億五〇〇〇万元で、前年度より六八・一%伸びる。