⑵ 科学技術支出は一九四四億一三〇〇万元で、一二・五%増とする。内訳は、中央レベルの支出一九〇一億五九〇〇万元、地方への移転支出四二億五四〇〇万元である。国家科学技術重要特別プロジェクトの実施を速めるために四四%増の四三五億元を計上する。国家自然科学基金への投入を増やし、国家重点実験室と基礎科学研究機関の能力整備を推し進めるため、二五七億一九〇〇万元の基礎研究資金を計上する。先端技術の研究、社会公益的研究及びカギとなる、重要な汎用技術の研究開発を重点的に支援するため、九九〇億六三〇〇万元の応用研究資金を計上する。重要な科学研究装置・設備の独自開発の試行範囲を拡大する。地域的イノベーション能力整備の誘導、支援をいっそう強化し、科学技術成果の実用的な生産力への転化を推進する。
⑶ 文化・スポーツ及びメディア関係支出は三七四億四三〇〇万元で、一八・五%増とする。内訳は、中央レベルの支出一八八億四〇〇〇万元、地方への移転支出一八六億三〇〇万元である。農村と末端の大衆の切実な利益に関わる文化建設事業を優先的に支援する。博物館、記念館など公益的文化施設の無料開放を保障する。国家重点文化財と最重要遺跡の保護にいっそう力を入れる。文化体制の改革と文化事業・産業の発展を積極的に推進する。マスメディアの海外発信能力の育成を強化する。
⑷ 医療衛生支出は一七二七億五八〇〇万元で、一六・三%増とする。内訳は、中央レベルの支出六三億五六〇〇万元、地方への移転支出一六六四億二〇〇万元である。二〇〇九年度に計上した一二七三億二一〇〇万元と二〇一〇年度に計上した一四八五億三五〇〇万元をこれに加えれば、その累計支出額は中央財政の医薬・医療衛生体制改革深化支援に関する三年間新規投入計画を達成する。都市部職員・労働者基本医療保険と都市部住民基本医療保険および新しいタイプの農村合作医療保険の加入率をいずれも九〇%以上に引き上げ、新しいタイプの農村合作医療と都市部住民基本医療保険の財政補助基準を一人当たり一二〇元から二〇〇元に引き上げるため、中央財政は三五・七%増の七六〇億元を計上する。また、末端部の政府系医療衛生機構で国の基本医薬品制度を全面的に実施することを支援し、末端部の医療衛生機構の総合改革を推し進める。三四六億元を計上することにより、都市・農村住民の基本的公衆衛生サービス経費基準を一人当たり一五元から二五元に引き上げ、重要な公衆衛生サービスプロジェクトの実施を引き続き支援する。公立病院の改革テストを推し進める。都市・農村医療救済へのさらなる支援に八〇億元を計上する。
⑸ 社会保障・雇用対策支出は四四一四億三四〇〇万元で、一六・六%増とする。内訳は、中央レベルの支出四八四億七九〇〇万元、地方への移転支出三九二九億五五〇〇万元である。具体的には、一三一億元の補助金を計上することにより、新しいタイプの農村社会養老保険の試行範囲が全国の二四%の県から四〇%の県に広がるように支援するとともに、都市部の無収入者層を養老保険の対象枠に組み入れる。全国の都市・農村における最低生活保障対象者や農村の「五項目(衣・食・住・医・葬)の保護」世帯など八六〇〇万人余りの貧困層に生活補助の一時金を支給するため、一〇四億元を計上する。企業職員・労働者基本養老保険補助金に一五・一%増の一七九六億元を計上することにより、企業定年退職者基本養老年金の月額を一人当たり一四〇元程度増やし、また企業職員・労働者基本養老保険の省レベルのプール制度を充実させ、社会保険に加入していない集団所有制企業の定年退職者の基本養老保障問題を適切に解決する。都市・農村の最低生活保障基準を引き上げるため、中央財政は一八・三%増の七四九億元の補助金を計上する。優遇扶助者などへの扶助手当や生活補助基準を調整するために一九・五%増の二五七億七〇〇〇万元を計上する。孤児向け基本生活補助の基準を適宜引き上げるため、三六億元を計上する。自然災害生活救済金に一〇六億五〇〇〇万元を計上する。国有企業の政策的閉鎖・破産の仕上げ作業に引き続き取り組むため、六〇億元の補助金を計上する。創業奨励政策の助成対象範囲を広げ、就職支援や職業技能訓練、創業トレーニングなどにいっそう力を入れる。