(三)二〇一一年度公共財政予算の収支計画について
中央経済活動会議で定められた二〇一一年度経済発展の所期目標、経済社会の諸政策および財政予算編成の全般的要請に従って、二〇一一年度公共財政予算の主要指標を次のように設定した。中央の歳入は四兆五八六〇億元で、二〇一〇年度の執行額(以下同)より八%増とする。中央予算安定化基金から一五〇〇億元を受け入れることとする。これにより歳入総額は四兆七三六〇億元となる。一方、中央の歳出総額は対前年度比一二・五%増の五兆四三六〇億元とする。その内訳は、中央レベルの支出が対前年度比六・七%増の一兆七〇五〇億元で、中央から地方への租税還付金と移転支出は一五・三%増の三兆七三一〇億元である。中央財政の歳入総額から歳出総額を差し引くと、七〇〇〇億元の赤字となり、二〇一〇年度の予算額より一五〇〇億元減少する。また、中央財政の国債残高限度額は七兆七七〇八億三五〇〇万元に設定する。
各地方の財政予算案に基づき、中央財政によって代行編成する地方レベルの収入は対前年度比八%増の四兆三八六〇億元とし、それに中央からの租税還付金と移転支出収入分三兆七三一〇億元を加えると、地方の歳入総額は八兆一一七〇億元となる。地方の歳出は八兆三一七〇億元とする。地方財政の歳入から歳出を差し引くと、差額は二〇〇〇億元となる。国務院は財政部が地方債を代理発行し、それを補填することを認めるとともに、省レベルの予算管理枠に組み入れることとする。ただし、地方財政の収支計画については、同級の人民代表大会で承認、採択された予算が基準となる。
中央と地方の財政予算案をとりまとめると、全国の歳入は対前年度比八%増の八兆九七二〇億元で、中央予算安定化基金からの受入分一五〇〇億元をそれに加えると、配分可能な収入総額は九兆一二二〇億元となる。他方、全国の歳出は一一・九%増の一〇兆二二〇億元とする。全国財政の収支差額は九〇〇〇億元で、GDPに占める割合が二〇一〇年度の二・五%から二%前後に低下する。以上の予算編成は、一方で国際金融危機のインパクトへの対応で収めた成果を定着させ、拡大し、経済の安定したより速い発展を保つという要請に配慮しつつ、もう一方で財政の持続可能な発展を促すという要請を盛り込んだ内容となっている。