当今の世界が直面する二大テーマは、平和と発展である。今年、世界は深刻な経済低迷に、経済問題と金融問題が世界的な重大事となった。4月2日にロンドン、9月24日にピッツバーグで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20)は大きな関心を集めた。国際世論は、この2回のサミット前、米中両国が緊密な協議を行ったことで、両国の意見がサミットでの合意の基礎になると注視していた。
大量破壊兵器の拡散は世界の平和にとって脅威となる。5月25日に朝鮮が行った2回目の地下核実験に、国際社会は強く反対する姿勢を示した。国連安全保障理事会は6月12日、朝鮮「最も厳しく批判する」とともに、制裁を実施する1874号決議案を全会一致で採択。国際世論は、米中両国が決議採択に向け重要な役割を発揮したことに注視した。
今年12月7日から18日までコペンハーゲンで開かれる気候変動枠組み条約締約国会議は、新世紀において最も重要な多国間会議となるだろう。それを前に、米中両国は緊密な協議を行うことにしている。両国の間で形成されたある種の共通認識は、会議での結果にやはり重要な影響を及ぼすと想像される。
1840年のアヘン戦争以後、中国は国際舞台において縁に追いやられてきた。中国人は自らの独立と解放を勝ち取るために、1世紀以上にわたり闘い続けてきた。1949年の中華人民共和国建国後、われわれは豊かになる道を歩み始めた。これまでの60年は、中国が国際舞台の縁から中心へと次第に歩み始めた60年かも知れない。国際世論の論評から見れば恐らく、今日の中国はすでに国際舞台の中心にあると言えだろう。こうした状況の出現は、われわれ自らの予想よりずっと早い。
国際関係の重心は大西洋から太平洋へとシフトしつつあり、これは過去400年来の国際関係において最大の変化ではないだろうか。こうしたシフトのプロセスはまだ終わりにはほど遠いとしても、09年はすでにアジア太平洋地域がグロバーバルな枠組みにおいて1つの重要な地域になりつつあることを物語っている。これは小さなことでない。過去数百年、世界の中心は一貫して欧米にあり、アジア太平洋地域は長期にわたり縁に追いやられていたからだ。今日の状況は次第に変わっており、アジア太平洋地域の世界における地位は上昇の方向にある。
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