資料写真:米韓合同軍事演習
今ある唯一の意思決定者としての立場を守るため、「軟三角」の制度構造には触れてはならない。いつか、日韓が手を携えて米に対し「今後の策を多数決で決めようじゃないか」等と言ってこないよう、米国は東北アジア戦略構想において様々な策を講じていくだろう。
つまりは、日韓の「軟」状態は、米日韓同盟体制が存在していくための一つの基本的条件となっている。日本は『軍事情報包括保護協定』を通して韓国に近づこうとしているが、現行体制において、必ず米国の対応措置によりその勢いを削がれるに違いない。
選択肢の少ない日本
日韓接近が、米日韓軍事連盟体制による制限を受け、その発展を削がれているのなら、日本が『軍事情報包括保護協定』を推し進める目的は何か。まず明確にしなければならないことは、国家間の軍事協力のすべてが大掛かりなものではなく、細かな事も含まれているということである。そして、東北アジアにおいては、もし中国包囲網説が口先だけのものでないとすれば、日本の選択の余地もそう多くはない。しかし、日韓の間には、巨大な米国が横たわっているばかりでなく、歴史的恨み、そして現在もトラブルが後を立たない。
心理学研究で興味深い発見がある。それは、多くの人が、改善の難しい自身の欠点を補うことにその力の大部分を注ぐのだという。このような行為は、経済学的に見れば、その比較優位の弱化に過ぎないのだが、人の心理として、賞賛より非難に対してより敏感に反応してしまうのである。
日本の心理もこれと大変よく似ている。すでに経済大国として世界に認められたこの国は、その超大国である米国との関係が強固なものであることを周りに知らしめたいと同時に、独立した国防権力も持たずに、常に保護されている立場を認めようとしない。また、軍国主義という歴史的事情により、日本はこの三国軍事同盟の枠組みの中でしか自身のやりたいことを実現できない。こうして日本は、複雑の心境のまま、三国軍事同盟の体制に閉じ込められ、そこからまた他国を包囲しようとしている。自由の利かない日本にいったいどれだけの選択肢があるのだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月16日