「スマート・パワー」外交の最初の衝撃波は、西太平洋地域の脆弱な安定を揺り動かした。これはアジアの悲哀と言わざるを得ない。アジアの様々な力関係は、ヒラリー・クリントンの一言にすぐに反応してしまう。この地区の運命の糸口の多くが、他人の手に握られたままだということが分かる。アジア人同士の対立がどれ程真実なものに感じられたとしても、それらは全て、ある一定のレベルにおいて、米国人によってプログラムされたものなのである。
自分達は結局何がしたいのか、アジア人はよく考えなければならない。我々の目的がこの地域の繁栄と平和なのだとすれば、米国の「スマート・パワー」がもたらす「抑制と均衡」などというものが、本当にこの目的に通じる近道になるのか。このような「抑制と均衡」のために、我々は一体幾らのコストを支払おうというのか。このような「抑制と均衡」が最終的にアジア人の内部抗争に発展しないという保証を、我々は一体どの程度持っているのだろうか。
「スマート・パワー」の最大のターゲットである中国は、特に警戒しなければならない。まずは米国が中国周辺を撹乱するのを防ぐこと、次に米国が中国内部に「スマート」な手を伸ばしてくるのを防ぐことである。米国がそれらの行動を準備しているだけでなく、常に中国内部を掻き乱す材料を見つけることができるのは、様々な兆候から見て明らかである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月16日