日本政府は米空軍の戦闘機「F-22」を導入し防空力を高めたいと思っていたが、米軍はF-22の日本への販売を拒み、その代わりとなる「F-35」の開発と導入も遅々として進まず、日本の防衛省を困惑させていた。日本のメディアは、中国を訪問中のゲイツ米国防長官が11日の記者会見で、日本にF-35の購入を求めたと伝えた。
日本新聞網は11日、中国を訪問中のゲイツ米国防長官は11日、同行した記者に対し、日本に米国の戦闘機F-35の購入を勧めたいと話し、13日の北沢俊美防衛相との会談で、直接助言すると語ったという。
日本の「F-4」60機はすでに退役が迫っており、何とか戦闘任務をこなせるのは残る40機程度だ。日本はこれまでF-4と入れ替えでステルス戦闘機「F22」を今後の主力戦闘機として導入したいと考えていたが、米政府はF-22のステルス技術が日本側に漏れるのを懸念して日本への販売を拒んできた。
米政府が今回日本にF-35を勧めたのは、同機もステルス機能を備えているからだが、先週行われた日本の防衛省の新型機種選定調整会議に出席した専門家や政府関係者はいずれも、F-35は第5世代戦闘機ではあるものの、2016年まで現役装備の導入を待たなければならないとし、時間的に厳しいとの見方を示した。また、戦闘機は1機あたり200億円もするため、財政困難の日本の現状ではかなりの負担になる。このほかに、F-35の技術輸出面で米国側はかなり高いハードルも設けている。
会議に参加した日本の軍事専門家や防衛省関係者の意見は欧州製戦闘機「ユーロファイター タイフーン」の購入に傾いているという。同機は英国、イタリア、ドイツ、スペインの4カ国が共同開発した第4.5世代機。武器や動力システムは先進的で総合性に優れており、ヨーロッパ製戦闘機の最高水準を代表している。特に価格がF-35の半額の100億円というのが魅力だ。さらに欧州は生産許可証を提供し、日本本国に工場を建てて製造と組み立てを行う意向を示している。この戦闘機の購入は日本の戦闘機の生産技術向上にとっても大きな手助けとなる。
ゲイツ国防長官は11日の北京訪問時にすでに日本への「打診」を始めた。そして日本を訪問した際には、F-35が日本の「空中防衛」に最も適しているとして、防衛省関係者と直にF-35について交渉するつもりだという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月12日