文=日本問題コラムニスト 陳言
前原誠司外相の官僚癖は半年というこの難関を越すのも難しかったようだ。
3月6日、日本の首相公邸前に集まった記者たちは、前原氏が公邸に入って1時間45分の後、20時15分にようやく出てくるのを目にした。表情は厳しく、そそくさと急ぎ、何も聞かなくとも、前原氏が辞職するときにあることは察しがついた。21時50分、前原氏は外務省で辞任を発表した。
2006年3月31日、民主党内の人物が偽造した電子メールで当時政権にあった自民党を攻撃、だが結果は、石を担いで自らの足を打つことになり、民主党の代表に就任して半年ばかりの前原氏は辞任せざるを得なくなった。今回も外相に就任してようやく半年、自らの政治資金問題で再び辞任せざるを得なくなった。
表面的に見れば、前原外相の辞任は韓国人女性、前科のある日本人からの政治献金と比較的大きな関係があるとはいえ、実況は恐らくそれほど簡単ではないだろう。
自民党が政権の座を失ったことで、日本の市民に対するアピール力は徐々に弱まり、しかも国会の会期末に民主党にどれほどの圧力を与えたか、次期首相としての呼び声が最も高かった前原外相は、その精力を主に党内闘争に置いた。民主党の元老である小沢一郎氏を党内から追放し、民主党若手が完全に政権を掌握した内閣を確立することを強く主張。小沢氏は政治献金をめぐっては言明を避けた問題が多く、すでに前原氏らは小沢氏をほぼ崖っぷちに追い込んでおり、いつでも彼の足を引っ張ることができる。民主党内最大の派閥は小沢派であり、このように党内の有力者を処分すれば、民主党はじき混乱に陥るだろう。