文=鳳凰網のコラムニスト 兪天任
私が取り上げてきた日本の政治家の中で、評価が最も低いのはおそらく前原誠司氏だろう。前原氏に対して使った最も謙虚な言葉は「教科書的な政治家」だ。これは昨年9月、釣魚島(日本名:尖閣諸島)海域で発生した中国漁船衝突事件の際に使ったものだ。
3月6日、前原誠司氏は外務大臣を辞任すると発表した。その理由は5年間にわたり在日韓国人から総額25万円の政治献金を受け取っていたからだ。
以前、中国では「日本の次期首相は前原だ」という見方があったが、これは実際正しくない。釣魚島の事件前は確かにそのような動きはあった。しかし、事件後、前原氏の人気は急降下し、多くの人が漁船衝突事件における政府の失態は前原氏の無能さにあると見るようになった。
日本の文化には「結果よりも過程を重んじる」という考え方がある。前原氏はこれまでに何度も失態を繰り返してきたが、多くの日本人が「若くて、経験が少ないから」との見方を示し、前原氏に対して寛容だった。実際、前原氏は非常に努力家であり、他の世襲議員とは異なっている。前原氏の家は非常に貧しく、中学2年生の時には父親が借金を苦に飛び込み自殺をしている。そのような境遇の下で、前原氏は奨学金をもらいながら高校を卒業し、最終的に京都大学に入学した。このような逸話により、前原氏は「青年の模範」と呼ばれるようになった。これこそが失態を犯した後もなお、高い人気を誇った原因だ。
人は誰でもミスを犯す。それは政治家も同じだ。しかし、問題は前原氏が再三にわたって低レベルなミスを繰り返したことだろう。人々は本当に政治家としての資質があるのかと疑うようになった。