中国の空母、東アジアのパワーバランスに影響

中国の空母、東アジアのパワーバランスに影響。 中国が西半球でミッドウェイ海戦やユトランド海戦を策謀しているわけではない。中国の海軍戦略家が海軍の航空力に関心を抱いているのは、西太平洋の海上における米国の優位性に挑戦し、台湾独立の傾向に歯止めをかけるためだと考えられているが、この考えは間違っている…

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発信時間: 2011-04-27 17:26:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国の新空母「ワリャーグ」の写真が公開され、中国海軍艦隊の最も新しいメンバーがまもなく進水するのではないかという推測が飛び交っていると、米ディフェンス・ニュース誌が25日付で報じた。

同空母の進水はアジア太平洋のパワーバランスに影響を与えはしないとアナリストの多くはみている。空母には戦闘機、攻撃機、対艦空中早期警戒機、空中給油機といった空中戦闘群だけでなく、様々な護衛艦を使った空中、海上、水面下からの支援が必要となる。

中国が数年或いは10年以内にこうした空母戦闘群を有することはないと見られているが、すでに「ワリャーグ」号に第1号機が搭載される前からその影響力が推し量られている。中国が空母「ワリャーグ」を配備すれば、隣国は中国軍、特に中国海軍に対する認識を徹底的に変えることになる。空母の配置は、人民解放軍が海軍力を拡大したことを大声で宣言するようなものだ。中国軍はアデン湾付近の海域に国際的な対海賊護衛隊を派遣したり、様々なPKO活動に参加したり、病院船を何隻も購入することで、中国軍が全世界に影響力を及ぼしていることをアジア各国に誇示してきた。

中国が西半球でミッドウェイ海戦やユトランド海戦を策謀しているわけではない。中国の海軍戦略家が海軍の航空力に関心を抱いているのは、西太平洋の海上における米国の優位性に挑戦し、台湾独立の傾向に歯止めをかけるためだと考えられているが、この考えは間違っている。

中国が米空母或いは台北を目標にした場合、決定打を与える兵器は弾道ミサイルで、空母ではない。しかし空母や拡大を続ける潜水艦隊、その他の海上装備は確かに隣国の海上運輸ルートを脅かすことになる。そのため、日本や台湾地域、韓国が中国海軍に干渉される可能性は、中国が米海軍に干渉される可能性と等しくなる。

中国の隣国の海上輸送ルートの多くは中国の専属経済区を通過しなければならないことから、中国の巨大なミサイル艦艇隊が潜在的な要素となっている。主権問題や統一問題を抜きにしても台湾は依然として中国の戦略に係る。中国がこの島を支配下に置いた場合、中国は海・空力を太平洋中部よりもさらに遠い地域にまで投入でき、短距離を航行する船や飛行機で沿海ルートをコントロールすることができる。

この点を考え、アジア諸国は本国の軍事力の調整をはかってきた。例えば、日本は海・空力を東南方向、台湾東北の西南諸島に移す方針を固め、ベトナムは新型のジェット式戦闘機、地対空ミサイルなどを購入して本国の軍事力調整を図っている。ベトナムと争っている南中国海の海上輸送ルートとの間の距離は非常に近いことから、ベトナムが低雑音の「キロ」級潜水艦を購入したことに無関心でいるわけにはいかない。

最後はやはり、この絶えず変化する情勢のカギを握っているのは米国だ。地域的な安全保障同盟のない状況にあって、米国だけが中国の侵略に対抗する力を持っている。また、歴史感情を踏まえると、米国だけが地域の緊張を高めずに中国に対抗する同盟関係を築いている。北京は米国の役割の重要性を十分に意識しているため、米国が太平洋に偏重する形で世界のパワーバランスを取ろうとしていないかに注意している。中国の空母「ワリャーグ」が東アジアのパワーバランスに影響を与えるようになった際、ワシントンがどのような反応を示すかが、地域の安定に直接影響してくる。

「中国網(チャイナネット)日本語版」2011年4月27日

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