米国の発展は発展を加速するアジアからますます切り離せなくなっている。発展を加速するアジアが必要としているのは、地域の平和的発展に積極的に参与し、促し、かつこのために多くの貢献を果たし、互恵・ウィンウィンの機会をより多く創造する米国だ。徒党を組み、第三国を標的に同盟を結ぶ米国ではない。
米国が今後アジアで足場を固め、安定したプレゼンスを続けるには、やはり中国との付き合い方を習得しなければならない。21世紀アジアの発展における際立った特徴は、中国の平和的発展だ。中国はアジア太平洋地域の発展を導く重要な原動力となっている。中国の発展はアジア諸国にかつてない互恵・ウィンウィンの機会をもたらした。
中国はすでにその一挙手一投足がアジアに決定的な影響を及ぼす大国となっている。古いやり方で中国を扱っては、戦略的誤りを犯すことになる。米国は中国の核心的利益を高度に尊重し、中国の核心的利益に関わる問題を慎重に処理しなければならない。中国の核心的利益を損なういかなる挙動も、中米関係の中断を招き、地域の安全と安定を損なうのみならず、この地域の共同発展という得難い良好局面を破壊することになる。
米国が今後アジアで抱えることになる最大の試練は、どの国が米国をアジアから締め出そうとするかではなく、米国自身がいかにしてアジアの協力と発展により良く参与するかだ。米国はアジアの発展のためにより多くの機会を創造し、アジア諸国と共同で新たな安全保障システムを構築しなければならない。さもなくば、その強大な軍事力に頼るだけでは、アジア太平洋地域における第二次大戦以来の影響力の維持は望めない。
現在米高官は旧ソ連が米国との軍拡競争で経済的に疲弊した教訓をもって中国に警告を発している。中国は一貫して覇権を追い求めたことはない。この教訓を銘記すべきは中国ではなく米国の方だ。
「人民網日本語版」2011年6月7日