与党VS野党
野田氏は従来から野党との大連立に積極的な姿勢をとっているが、自民党は民主党との連立に否定的な考えを示している。そのため、野田氏は別の道を切り開かざるを得なくなり、「低姿勢」を貫いて野党との協力を求めている。また、野田氏は各界の支持を取り付ける戦略を推進し、与野党協力への世論の支持を得ようとしている。
野田氏は「ドジョウ」政治を進めていくと表明し、低姿勢を貫いて野党との協力を進める道をさぐっている。野田氏は組閣に先立って、自民、公明両党の党首と会談し、与野党が政策問題を話し合い、震災復興、税制改革、円高・経済対策などで協力するよう呼びかけた。
自民党の谷垣禎一総裁は「人民党は震災復興では協力していく」と表明し、公明党の山口那津男代表(党首)も「公明党は震災復興問題について民主党と協議する用意がある」と表明しており、野田氏は震災復興での2大野党の党首から口頭での支持を得ているが、そのほかの政策面での野党の支持を得ることができるかどうかは、新政権の今後のパフォーマンスをみなければならない。
野田氏は、経済界の支持も積極的に求めている。同氏は前例を破り、組閣に先立って経済界のリーダーを表敬訪問した。経済団体連合会の米倉弘昌会長は原発事故の対応で菅直人前首相を批判していた。米倉会長は今回、野田新首相に期待を寄せ、野田新政権を全面的に支援していくと表明した。
日本のあるメディアは次のように指摘している。野田氏が経済界のリーダーの協力を求めるのは、経済界の協力がなければ、震災復興措置、円高対策を含む経済政策を円滑に進めることができないからだ。
アナリストは次のように指摘した。野党と経済界の支持を得ることができれば、野田新政権の前途は開けてくるだろう。
前途が不明な政権か