劉江永氏:日本は経済が落ち込む状況下で、国防予算も毎年減少している。そのため、防衛省は財政予算案で配慮してもらうために、「中国脅威論」を持ち出し、注目を集める必要があったのだ。
また、日本は資源が比較的乏しい国であり、昨年の東日本大震災で原子力発電も機能しなくなった。よって日本は石油や天然ガスなどのエネルギーを確保する必要性に駆られた。海洋天然ガス田が重要な資源であることは明らかだ。
更に、中日間には釣魚島の問題や東中国海のガス田開発問題も存在しており、日本は将来の国家安全を考慮し、2010年12月には「新防衛計画大綱」を制定し、中国を主要な防衛対象国(仮想敵国)に位置づけた。これは少なくとも今後5年間の日本の国防政策となる。
また、中日関係には構造的な矛盾が存在する。中国が軍事力を拡大し、東中国海・西太平洋の制海権と制空権を把握することを日本は懸念している。そのため、中国海軍が東中国海で動きを見せるや否や、例えそれがただ宮古海峡を通過して太平洋に入るだけだとしても、日本は非常に敏感な反応を示す。中国が第一列島線を突破して、第二列島線、即ち米国のグアムにまで進出しようとしているという説を日本は主張している。日本のこのような反応は、ある意味、中国が今後、内政問題解決後(台湾統一後)、西太平洋海域での戦略的計画に焦点を合わせていると言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月9日