資料写真:インド126機を発注した仏ダッソー社の戦闘機「ラファール」
アジアの武装化が進み、武器輸入量が世界トップとなったのには特殊な原因がある。アジア諸国の装備は老朽化し、独自の生産能力は遅れていたが、経済力の向上にともない、武器輸入の需要が自然と増加した。しかしアジア以外の大国は「脅威論」を取り沙汰し、米国を中心とする軍需メーカーは大儲けしている。
◆装備は悪いが、武器を自主生産できない
国防大学の王宝付教授からすれば、多くのアジア諸国で軍事装備のレベルは低いという。アジア太平洋経済の持続的発展により、国防により多くの資金を投入できるようになる一方、内部の混乱が減り始めた。こうした中、アジアの国々は武器調達に視線を向けるようになった。
例えば、武器輸入最大国のインドは現在導入している武器の大部分がロシア製で、50%が老朽化している。インド国防省が議会に提出したデータによると、この4年間でインドではSu-30MKIや仏戦闘機ミラージュ2000など先進型を含む戦闘機50機が墜落し、パイロット19人が死亡した。戦闘機の故障が絶えない原因は深刻な老朽化にある。そのためインドは今後5年間で500億ドルを投じて老朽化したロシア式装備の更新を進める決定をした。
アジア諸国の多くは武器自給率が低く、日本やインドのような大国でも重要な装備の多くはかなり輸入に依存しており、アジアの国防費増加はある意味「武器輸入増加」の代名詞といえる。王教授も、アジアの武器生産能力は劣っており、先進的な武器を導入するには輸入しかない情況と指摘する。
◆軍備拡大:米軍需メーカーが大儲け