日本は人類史上唯一原爆による被害に遭った国である。日本人である私は日本の一般市民が「核兵器」に対して極めて敏感な態度を持っていることを知っている。日本人は「核」に反感さえ抱いている。3・11の大危機の核心的要素は、放射線の漏えいによって日本人の「原発パニック」はエスカレートし、反原発心理の勢いが増したことだ。今年5月までに日本の約30%のエネルギーを供給していた原発、そのすべての原子炉の運転が一時停止、GDPが1ポイント低下し、日本の将来的なエネルギー戦略に影響する。
これまで世界には憲法によって戦争の発動を制限する「平和憲法」を持つ国が2つあった。日本はそのうちの一つで、もう一つはコスタリカだ。日本は戦後、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとの「非核三原則」を堅持してきた。
日本のタカ派が日米同盟を弱体化、あるいは放棄して「普通の国」を目指すべきだと強く主張しているのは、「自主防衛」の新戦略を採るためで、「右傾化」が勢いを増していると中国の有識者の多くは認識し始めており、日本の核武装に対する懸念が浮上している。私は核専門家ではないため、技術的にどんな条件が必要かについて語るつもりはないが、一点だけ指摘しておきたいのは、今の国際情勢の大きな方向性から見ても、核兵器に対する日本国民の反発を見ても、日本の核武装はそう容易なことではない。
ただ日本と米国の普天間米軍基地移転問題をめぐる対立には中国もその国家利益に影響することから関心を寄せている。戦後60年以上、日本は米国の「核の保護の傘」の下で領土を守り、「経済重視・安全保障軽視」を続け、経済大国となり、近代化を実現した今日、「米国による日本占領」が続いている現実に不満を感じる日本国民が増えているのは争いようのない事実だろう。