資料写真:野田首相とベトナムのグエン・タン・ズン首相
日本は再びメコン川流域に注目し、中国に競争心を燃やしている。シンガポールの情報サイトによると、中日はかつてバリ島で同時に巨額の援助計画を打ち出し、事業内容にも重複がみられたが、今回の首脳会議でも野田首相は、中国がメコン地域諸国と話を進めている港湾、高速道路、発電所、高速鉄道などの協力計画を提案した。
東南アジアの学者はこれについて特に気にしていないようだ。シンガポール国立大学東アジア研究所の藍平児研究員は、「日本と中国のメコン地域への投資は重複していない」とし、中日の投資について、東南アジアの隣国と協力関係を築くためであり、自らの商品の販路を求めるためと指摘する。カンボジア平和協力研究所の関係者は、「中国と日本は地域の生産ネットワーク拡大と単一市場構築の方面で互いに補い合うことができる。東南アジア諸国は中日が同地域で政治戦略競争を繰り広げるのを望んでいないとする」と話す。
日本の経済力が近年落ち込み、日本の「牽引効果」はそれほど顕著でなくなった。ASEAN10カ国の情況と異なり、メコン地域5カ国のうち、中国と海洋権益で争うのはベトナムだけ。カンボジアは中国を支持する方針を明らかにしたばかりで、「領有権」というカードを出す効果には限界があると懸念を示す日本のメディアもある。そうなると、援助効果がすぐに出なければ、野田内閣は国民に説明がつかなくなるが、メコン地域5カ国にとって中日の支援は願ってもないことで、万事順調に運べば、拒む必要はないといったところだろう。
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「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年4月24日