米空軍のF22ステルス戦闘機の酸素供給不足をめぐる問題が再び浮上している。パイロット2人が飛行中に低酸素症とみられる症状を起こして意識を失ったとテレビで発言。パネッタ米国防長官は、パイロットが不調を訴えた際に迅速に着陸できるよう、滑走路から近い空域でしか飛行してはならないと指示。さらに予備の酸素供給システムの開発を急ぐよう空軍に指示した。米オンライン新聞クリスチャン・サイエンス・モニターは16日、軍当局がパイロットの飛行の安全を無視したことが根本的な原因とする調査員の話を報じた。世界新聞報が伝えた。
◇エリート部隊の戦闘力に影響
この4年間でF22のパイロットが低酸素症に似た症状を訴えたケースは25件に上る。低酸素症は大脳への酸素供給不足によるもので、通常、頭痛やパニック、方向感覚を失うなどの症状がみられ、飛行中にこうした症状が出るとかなり危険で、命にもかかわる。2010年11月、F22のパイロット、ジェフリー・ヘイニーさんは酸素供給システムの故障が原因で操縦に集中できなくなり、墜落して命を落とした。昨年4カ月飛行停止し検査を行ったが、問題はいまだに徹底解決されていない。
安全性に問題がある戦闘機を操縦するパイロットはかなり腹を立てており、軍当局との対立も激しさを増している。今月6日、CBS放送のトーク番組にパF22のパイロット2人が出演、飛行中に低酸素症になり、意識がはっきりしない中で緊急酸素供給システムの手動起動装置を見つけるのは非常に困難と不満を語った。2人は、安全性への懸念からすでにF22の操縦を断ったという。米空軍は、ごく一部のパイロットが酸素供給問題への懸念から今月初めF22の飛行停止を求め、部隊を離れたことを認めた。F22の酸素供給不足は技術的問題だけでなく、米空軍の「エリーと部隊」の士気と全体の戦闘力に深刻な影響を与えている。
F22の生産ラインで働く作業員からもステルス塗料の中の化学物質を吸った場合、健康を害するという声があがっており、これも調査の必要な問題となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月28日