フィリピン外務省のヘンリー・ベンサルト海事海洋問題委員会事務局長はスライドを使って黄岩島(スカボロー礁)主権係争に対するフィリピン側の「解釈」を示し、黄岩島に関する「神話」の打破を主張した。上海交通大学凱原法学院の傅コン成特別招聘教授はベンサルト氏の「規則違反の」スライド使用を主催側が許可したことを問題視した。主催側はシンポジウムに先立ち、発言者はスライドを使用してはならないと通知していたからだ。一方、主催側は通知は「禁止」ではなく「勧めない」ことだったと説明した。興味深いことに発言者11人のうちスライドを使用したのはフィリピンとベトナムの代表だけだった。
シンガポール東南アジア研究院シニア・フェローのイアン・ストーリー氏は「南中国海の領有権主張各国は過去2年間にいずれも自らの立場を強化しており、妥協は一層困難になったようだ」と指摘した。
キャンベル米国務次官補(アジア太平洋担当)は講演で「来月のASEAN地域フォーラム外相会議で米国は力強く、安定した、恒久的な対中関係の構築に尽力する考えを強調する。中国と協力して東南アジア地域の平和と繁栄を促したい」と表明した。
米国のステープルトン・ロイ元駐中国大使は「アジア太平洋地域における米国の軍事的プレゼンスの強化は事実上『様々な期待』をもたせつつある。だが南中国海の領有権係争が本当に衝突に発展した時、域内各国全てと共同防衛条約を締結しているわけでは決してない米国は一体どのように行動するのか?アジア太平洋における米国の軍事力強化は明確な目標を欠いている。政略的な曖昧さを保つことが良い時もあるが、誤解をもたらし、事態をさらに複雑化させることもある」と指摘した。
「人民網日本語版」2012年6月29日