文=中国人民解放軍国防大学教授 韓旭東
中国は世界的な強国に向け発展する中、かつてないほど複雑な現況に直面している。中国と周辺各国との摩擦が増加しており、中国の発展に深刻な影響を及ぼしている。
中国の周辺に存在する問題は、世界で最も多い。世界の問題は主にアジア太平洋地域に集中しており、アジア太平洋地域は主に中国周辺に集中している。中国は隣国が最も多く、陸つなぎの隣国が14カ国、海を挟んだ隣国が8カ国ある。多くの問題が隣国と関連しており、南沙諸島の周辺海域において、中国と各国の間に紛争が生じている。中国は8カ国の隣国と、海洋領有権の主権を巡り争っており、紛争のある海域が中国の管轄する海域の52%に達している。周辺諸国からの挑発、摩擦の形成の中には、軍事的な手段による威嚇も含まれる。中国は平和的な発展を主張しているが、実際には中国の希望通りに進んでいない。
中国と周辺諸国との争いは、米国による介入が招いたものだ。21世紀以降、世界の経済の重心が大西洋からアジア太平洋地域に移り、米国のグローバル軍事戦略の重心も中東からアジア太平洋地域に向けて調整されている。米国は中国の周辺諸国と軍事関係を結び、各国と軍事演習を強化し、その軍事力を誇っている。またさまざまな手段により、中国の周辺諸国の軍事力強化を支援しており、中国との争いを促している。これは、周辺諸国との紛争の激化の主因である。
周辺諸国との摩擦を緩和し問題を解決するためには、戦略の正確な実行がカギとなる。重大な政策措置が定まった状況下、戦略が非常に重要だ。平和的な発展と自衛を中心とする国防政策を前提とし、中国は戦略により、周辺の安全環境の改善と問題の解決を図らなければならない。
上述した戦略には、以下の内容が含まれる。