先ほどの衆議院議員総選挙において、自民党が圧勝を収めた。メディアから「最も右寄りの首相」と呼ばれる安倍晋三氏が間もなく首相に就任する。新内閣が導く日本が平和憲法の制約を解除するか、対外的に強硬な姿勢を維持し、紛争を引き起こし続けるかは、注目が必要だ。『解放軍報』が伝えた。
安倍氏は総選挙において、日本の平和憲法を改正し、集団的自衛権を行使し、海上保安庁を強化し、自衛隊を国防軍に昇格すると何度も強調した。日本は敗戦後、米国の「軍事の傘」と「核の傘」を獲得し、さらに強力な軍事力を発展させた。安倍氏の平和憲法の改正が実際にどこまで進められるかはさておき、その目的は日本を「正常な国家」に変えることだけではなく、法的に日本の外国に対する武力行使を可能とする目的もある。この措置により、日本を軍国主義の復活という、危険な方向に導く可能性が高い。
安倍氏はまた総選挙の中で、釣魚島(日本名:尖閣諸島)問題で強硬な立場を示し、釣魚島に公務員を常駐させ、海上自衛隊の退役軍艦を釣魚島の防御に用いると主張した。安倍氏率いる自民党は釣魚島を含む多くの問題で強硬な立止を維持しているが、これにより中国が釣魚島の領有権を持ち、釣魚島の12海里以内で巡航し、釣魚島を実効的に管理するという事実を覆すことはできない。
安倍氏はさまざまな面で強硬姿勢を示しているが、政権運営ではその他の可能性が存在する。安倍氏は実務的な政治家であり、総選挙の強硬な発言は主に票集め、右寄りの有権者の支持を集めるための手段であった。実際の政権運営において、安倍氏は野田内閣の釣魚島問題の失敗、中国からの強い反発、日本の利益への影響、外交面でかつてないほど受動的な立場になった事実を考慮し、中日関係の好転を促さざるをえない。この点について、安倍氏は健全な「遺伝」を持つ。安倍氏の父、安倍晋太郎氏は1980年代に中日友好に貢献しており、安倍氏本人も1度目の首相就任時に中国を初の外遊先に選択し、小泉氏の靖国神社参拝で悪化した中日関係の改善に対して重要な役割を果たした。安倍氏は総選挙後、「中国は日本経済の発展と成長に対して欠かすことのできない存在だ」と強調した。これは安倍氏が釣魚島等の問題で強硬な立場を維持するが、中日関係の緩和を願っており、中国経済発展からの恩恵を受けようとしていることを示す。
政権交代、政局混乱は日本の政界で常態化している。しかし過去を振り返ると、首相が誰であれ、日本政府は歩み寄りと隣国の尊重を重視しており、中日関係に対して利益と安定という「福」をもたらしていた。しかし強硬的な姿勢をあくまでも維持し、外部勢力を利用し中国を抑制し、東アジア諸国の政府を牽制し極端な方向に導くならば、自国と周辺各国に災いをもたらすだろう。日本側の発言に耳を傾けると同時に、その実際の行いを観察する必要がある。今の日本には危険に向かう予兆があるが、周辺諸国との関係緩和のチャンスにも直面している。何を捨て何をとるか、政治家の家庭に生まれた安倍氏は、これを慎重に選択する必要がある。(周永生:外交学院日本研究センター副主任・教授)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年12月21日