中国海軍のミサイル護衛艦「綿陽艦」は10日午前3時50分、約700海里の航行を経て、マレーシア航空370便の交信が途絶えた海域に到着し捜索活動を開始した。交信が途絶えた8日未明から、すでに丸二日が過ぎていた。「新華網」が伝えた。
同海域に先に到着し捜索活動を実施していた米国、マレーシア、ベトナムなどの艦艇や航空機と比べ、一部のネットユーザーからは「中国海軍は出遅れた」、「なぜこれほどもたついたのか?」という批判の声があがった。
しかし事実は批判の通りなのだろうか?
370便の交信が途絶えたという情報を受けると、中国海軍の関連部隊(南中国海艦隊水上艦艇、航空兵、水中捜索隊、医療チームなど)は、直ちに緊急出動の準備を整えた。
南中国海艦隊は緊急捜索プランと軍地共同救助体制を発動し、南沙諸島の海域で任務遂行中の綿陽艦に対して、出動前の準備を整えるよう指示を出した。それから大型揚陸艦「井岡山艦」に対して、救助器具、水中レーダー、燃料、食料などの物資を積み込み、艦載ヘリ、医療チーム、陸戦隊員、潜水部隊を搭載し、救助の準備を整えるよう命じた。
綿陽艦は同日夜11時50分に同海域に向かった。井岡山艦は9日午前3時、医療チーム、水中捜索チーム、海軍陸戦隊によって構成される救援チーム、2機の艦載ヘリを搭載し、湛江軍港から救助に向かった。
遠海救助の複雑性と不確定要素を考慮し、海軍南中国海艦隊の各部隊は指示を受けてから、最短時間で出発前の複雑な準備を完了した。
南中国海艦隊の某揚陸艦部隊は2時間内に休暇中の兵士を呼び戻し、同海域の最新状況を把握し、海上救助指揮チームを発足し、行動プランを作成した。井岡山艦の救助器具、水中捜索設備、燃料、食料などの物資の積み込みと、装備の点検・メンテナンスを完了した。海軍陸戦隊の51人の隊員は20分間で、高速艇、ゴムボート、救命胴衣、潜水艇、食料などの災害緊急時の物資を集めた。南中国海艦隊航空兵部隊は1時間内に、飛行前の設備点検と調整を終え、いつでも離陸できるよう準備を整えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月12日