習近平国家主席の就任以来、中国の国民生活、汚職撲滅、さらには国家の組織・制度改革に、新たな兆しが見え始めている。それと同時に中国の外交政策にも変化が生じ、より積極的・能動的な態度を見せている。中国の最近の外交の動きは、「西進」と「東躍」に分けることができる。日本の英字誌『ザ・ディプロマット』が伝えた。
「西進」は、「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)計画を強調している。中国は西の隣国、その他の中央アジア諸国、中東世界との「利益共同体」、「運命共同体」を形成しようとしている。「一帯一路」は、中国の西の地域との経済協力を推進・保証するため、欠かせない計画だ。
2つの事実が、「西進」戦略を支援している。(1)中国と西の地域の貿易・交通が、長い伝統を持つ。(2)同地域の経済協力と共同発展の推進に関する需要が、日増しに拡大している。中国が西を見据えるのも、地政学的な考慮、地域の安全の脅威(テロリズムなど)によるものだ。
しかし中国は東を見落としているわけではない。「東躍」戦略は、東アジアのみに限られない。中国は韓国を抱き込もうと努力しているが、中韓外交関係よりも韓米同盟の方が長い伝統を持ち、日米の同盟関係も強化されている。この状況の中、中国が東アジアの駆け引きで優位に立てなくなっている(特に短期間内は)。米国は終戦後、東アジアに深く浸透している。米国は自信、戦略的空間の面で、依然として優勢を維持している。ゆえに中国はこの長期的に存在している東アジアの難題を解消できない。