ハモンド外相は、「アジアの安全は英国の利益に影響を及ぼす。英国は1971年にオーストラリア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポールと五ヵ国防衛取極め(FPDA)を締結した。英国は、五ヵ国の安全および国防に対して責任を持つ。この取極めの締結は、英国がアジア太平洋の各同盟国およびパートナーに動員をかけ支持できるよう、常に準備を整えておくことを意味する」と述べた。
「五ヵ国防衛取極め」は、オーストラリア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポールが他国によって不法侵入された場合、英国が防衛に協力するという確かな情報を伝えた。「五ヵ国防衛取極め」は東南アジアで唯一の多国間安全協定であり、各国の安全関係の構築を促し、人道支援や災害救助などの事業において力を発揮している。
ハモンド外相のシンガポールでの演説は、「五ヵ国防衛取極め」が初めて中国の南中国海における係争と同列に論じられたことを意味する可能性がある。ハモンド外相は、「五ヵ国防衛取極めの保護のもと、英国の同地域における利益が脅威にさらされた場合、英国はいつでも軍事力を配備できるよう態勢を整える」と発言した。これは2014年に発表された「国家海洋安全戦略報告」の内容を裏付けている。同報告は数多くの問題の中で、英国の「アジア太平洋」における重要な政治的・経済的利益、および英国が南中国海の安全問題に特に注意していることを強調した。
「五ヵ国防衛取極め」の締約国であるマレーシアは、中国と南中国海で係争に陥っている国だ。英国の立場は、「五ヵ国防衛取極め」の当初の目的の変化を示している。締約国は新たな安全リスクを背景としながらも、取極め内の公約を利用している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年2月10日