王毅氏の中米関係に関する新華社インタビュー全文

王毅氏の中米関係に関する新華社インタビュー全文。

タグ:中米関係

発信時間:2020-08-08 11:12:31 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 記者:ポンペオは新たな「民主主義同盟」を結成して中国に対応すると鼓吹し、他の国にいわゆる「自由」か「専制」かの選択を迫っている。しかし、この話への世界の反応が冷たいことにわれわれは留意している。米国の企てはうまくいくと考えるか。


 王:対決をあおり、分裂をつくりだす行為は歴史上珍しくないが、最後にはことごとく人々に唾棄されている。人類が21世紀に入った今日なんと、またも飛び出してきて、新たな鉄のカーテンを下ろし、新たな分裂を造り出し、昔ながらの政治的独自性〈アイデンティティー〉と陣営対立を持ち出そうと考える者がいる。これは人類の進歩と知恵を公然と蔑視し、また公然と歴史の歯車を逆転させるもので、時代の潮流と相いれず、大多数の国の願いに背いており、当然ながら人心を得られず、反応は冷たいに決まっている。


 中国は帝国主義と植民地主義の抑圧の中で、専制を打破し、自由を勝ち取った国である。自由、民主、法治はつとに中国の憲法に書き込まれ、中国の特色ある社会主義の核心的価値観の重要な内容にもなっている。同時にわれわれは、自由は放任でなく、科学的合理性、法秩序および国際ルールがすべて自由の基礎であることをよく知っている。感染症の期間中、防疫専門家の科学的提言に基づき、中国人民はマスクを着けたが、米国の一部政治屋によって、中国の「専制」と「不自由」の現れと攻撃された。現在彼らは、自分で自分の頰をひっぱたく結果になっている。


 中国は昔から「和合」を尊ぶ国で、「分かてば争い、争えば乱れ、乱れれば窮する」と考えている。中国は一貫して、イデオロギーで世界を区分する危険なやり方に反対している。そこで、われわれは協力・ウィンウィンに基づく新しい型の国際関係を積極的に提唱し、各国との友好協力を全面的に発展させ、全世界をカバーするパートナーシップのネットワークを築いた。習近平主席が人類運命共同体構築の重大なイニシアチブを提唱したのは、異なる制度間の意見の食い違いを越え、ゼロサムゲームの思考を捨て、異なる国、異なる民族、異なる文明が共に奮闘するための方向を作り上げるためにほかならず、中国はこの全人類のすばらしいビジョン実現のために自らのたゆまぬ努力を払っていく。


 記者:ポンペオ氏は中国が世界覇権を渇望しているとしたが、周知のように、むしろ米国こそ何かといえば「条約破棄・離脱」を繰り返している。国際社会の多くの人は今後の国際秩序が重大な影響を受けるのではないかと懸念しているが、これをどう見るか。


 王:現在の国際秩序と国際体制が直面している現実的試練は、総合力最強の米国が自国優先を行動規範とし、一国主義といじめ主義を極致まで推し進め、国際的責任と多国間主義のルールの放棄も辞さず、さらには新型コロナウイルスの流行が最も切迫した時期に、理不尽にも世界保健機関(WHO)を攻撃し、脱退するとした。脱退した国際条約の数が過去のすべての米国政府を上回っており、現行の国際秩序の最大の破壊者になっている。


 中国は常に国際秩序と国際体制の揺るぎない擁護者だ。新中国成立からこの70年余り、中国は自ら戦争を引き起こしたことはなく、他国の土地を一寸たりとも侵犯したことはない。われわれは自らの平和的発展の堅持を憲法に明記し、世界で初めてこの厳粛な約束を行った国となった。われわれは引き続き平和的発展の道を揺るぎなく進み、永遠に覇を唱えず、永遠に拡張をはからず、永遠に平和を擁護する中堅勢力であり続ける。


 今年は世界反ファシズム戦争勝利・国連創設75周年で、痛ましい歴史の教訓を踏まえ、世界は近代以降、最長の安定と繁栄の時代を実現した。今日、われわれは国際体制が再び軽々に破壊されるのをそのままにしておくわけにはいかないし、世界を再び分裂させてはならない。中国は最初に「国連憲章」に署名した国であり、われわれはほぼすべての国際条約と取り決めに参加し、しかるべき国際的責任と義務を忠実に履行している。世界の前途と運命にかかわる重大な瀬戸際にあって、われわれは引き続き揺るぎなく多国間主義を守り、実践し、国連を中核とする国際体制を揺るぎなく擁護し、世界の多極化と国際関係の民主化を揺るぎなく推進する。


 記者:米国は最近、南中国海問題への介入を明らかに強めている。ポンペオ氏は中国の南中国海における主権と権益を否定する声明を出し、米軍は南中国海で2隻の空母による演習を実施し、軍機や軍艦をたびたび派遣し接近偵察を行っている。米国が南中国海で摩擦や衝突を引き起こす可能性が高まっているとの見方もある。南中国海は平静、安定を保(たも)てるのか。


 王:米国は最近南中国海で絶えず問題を引き起こしている。第一に、どちらの側にも立たないという長年にわたる約束に背き、公然と南中国海の領土主権係争に介入している。第二に、南中国海における軍事的プレゼンスを絶えず拡大し、ひけらかしている。米軍機の南中国海での活動は今年上半期だけで2000回余りに上っている。第三に、ほしいままに中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の離間を謀り、「南中国海行動規範」の協議プロセスを妨害している。米国の目的は南中国海を混乱させ、地域の国を米国の戦車に縛り付け、米国の国内政治と地政学的戦略に奉仕させることである。地域各国は警戒を高め、ようやく得られた平和と発展の成果を米国がみだりに破壊するのを防がなければならない。


 南中国海は地域各国の共通のホームであり、国際政治の闘技場にしてはならない。長年の努力を経て、地域各国は意見の相違を適切に解決する有効な方途を見いだし、中国とASEAN各国は共同で南中国海の平和と安定を守るという明確な共通認識を得た。対話を通じた紛争の解決こそが最も地域各国の利益に合致する正しい道であることを事実が証明しており、南中国海の平和と安定を守ることは地域各国の共同の任務である。現在の情勢の下、中国はあらゆる妨害を排除し、「南中国海行動規範」の協議を早期に再開し、南中国海の長期的安定維持に資する地域のルールについて早期合意を目指すことを提案する。同時に、中国は引き続き沿岸国と海上協力を強化し、安全保障面の相互信頼を深め、共同開発を推進し、真に南中国海を平和の海、友誼の海、協力の海にしたいと願っている。

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