ロシアとウクライナの国境情勢が最近、悪化している。ウクライナ政府とウクライナ東部民間武装勢力が相手側に砲撃を仕掛けたと相互に批判した。ロシアのプーチン大統領は現地時間21日夜に大統領令に署名し、ウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を認めた。米国とEUは制裁を行うとの声明を発表した。地域情勢がより複雑で未知な方向に進んでいる。
ウクライナ情勢が現在の状況を迎えたのは、一連の複雑な要因の共同作用の結果だ。うち、米国を始めとするNATOは長年に渡りロシアを排斥し、その戦略的空間を蚕食してきたが、これは無視できない重要な要因だ。NATOのストルテンベルグ事務総長は、「NATOが拡張しないと約束したことはない」と否定した。しかし米ボストン大学の学者であるジョシュア・シフリンソン氏はこのほど、独週刊誌「デア・シュピーゲル」に対して次のように明かした。シフリンソン氏がイギリス国立公文書館で発見した1990−91年の政府文書によると、西側の外交官は当時確かに「NATOは東に拡張しない」と約束していたが、わずか8年後に食言した。1999年3月12日に、ポーランド、ハンガリー、チェコが正式にNATOに加盟した。その後、NATOは何度も拡張した。今やさらにウクライナを手中に収めようとするならば、これはロシアにとって、敵のミサイル発射台が自宅の玄関先に設置され、閉じ込められることを意味する。このような局面を受け入れられる西側諸国はあるだろうか。さらにロシアはウクライナと元々同胞で、血の繋がりがあり、感情的にも後者がNATOに加盟することで、真っ向から対立する関係になることを受け入れがたい。米国とNATOはロシア側の関心事を直視したことがなく、ロシアの安全の利益を何度も犠牲にすることで、その意向に合致する欧州の安全の秩序を構築しようとしている。2022年の早々に、長期的に蓄積されてきた矛盾がついに、このロシアとウクライナの国境の危機を引き起こした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月23日