米国が意図的に緊張情勢を作ることには、次の3つの狙いがある。
(一)国内のインフレに対応する。米労働省が10日に発表したデータによると、1月の米国の消費者物価指数(CPI)は前月比0.6%上昇、前年同月比7.5%上昇となり、前年同月比では1982年2月以来の高い伸び率となった。実際にはデータ公表前に米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ問題の深刻さを意識していた。FRBのパウエル議長は先月末、3月の会合で政策金利を引き上げ、同時にバランスシート縮小で市場の米ドルを回収すると発表した。同じく1月末、ロシアとウクライナの緊張が急激にエスカレートしたが、これは偶然と片付けられないだろう。米政府は本件を利用し、資本市場で恐慌を引き起こし、世界のドルの米国回帰を促し、利上げと合わせ国内の物価上昇を抑えようとしている。同時に利上げに伴う米国内の流動性の不足を補い、米国の株価と住宅価格の大幅な下落を回避し、国内の資金調達コストの拡大を防ごうとしている。さらには、ドルが回帰し他国の資産の価値が落ちるのを待ち、再び利下げにより流動性を放出しこれらの国の高品質資産を購入し、富の略奪を完了する。米国の利上げは過去数十年に渡り、アジア通貨危機、サブプライムローン問題など多くの世界経済の混乱を引き起こした。しかし米国経済のソフトランディングを実現するためならば、バイデン政権はもう一度試みることも厭わないはずだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月23日