ウクライナ情勢がますます激化し、再び波乱が生じるなか、欧米などの国がロシアに対する金融制裁をさらに強化した。
新華社によると、米国などの西側諸国は2月26日に共同声明を発表し、ロシアの一部銀行をSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除し、かつ外貨準備の取得により制裁措置の影響を弱めることを防ぐため、ロシア中央銀行に対して規制措置を実施するとした。この情報が発表されると、アナリストの多くがこの措置の深刻さを「金融の核ミサイル」「核兵器級」と例えた。この大きな動きは世界の金融市場にいかなる影響を及ぼすのだろうか。
「殺傷力」はどの程度?
あるアナリスト記者に対して、「金融の核兵器」という表現は誇張だと述べた。ロシアの国際貿易に占める割合が低く、かつ近年の「脱米ドル」もあり、この措置のロシア及び国際金融への影響は限定的だ。昨年末現在のロシアが保有する米国の長期債は63億3100万ドルのみで、うち米政府債は54億1500万ドル、米企業債及び株式資産は10億ドル未満と限定的だ。
中信建投マクロ経済チームのチーフエコノミストである黄文濤氏は、SWIFTからの排除はロシアと国際金融機関の取引情報の交換を遮断するとの見方を示した。EメールやFAXなどにより為替送金情報を連絡できるが、安全性が低く、大量のデータを人の手で交換する必要がある。決済情報の伝達ルートとしては極めて脆弱だ。資金フローは遮断されないが、取引が衝撃を受ける。
ロシアは近年、SWIFTへの依存を弱めようと試みている。公開された資料によると、ロシア中央銀行は2014年に現地決済システム「SPFS」を開発しており、2019年に導入を開始した。
ところが、ロシアの銀行は依然としてSWIFTに高度に依存している。昨年5月現在で、ロシア域内のSPFSによる送金は全体の20%に留まっている。利用者の数、使用頻度、使用範囲など、SPFSとSWIFTの間には依然として大きな開きがある。
ロシア中央銀行はこれまで、持続的に「脱米ドル」を推進し、米ドル準備高を大幅に削減してきた。データによると、ロシア中央銀行の外貨準備高は約6430億ドルで、うち米国債は6.6%のみと2018年の30%から大幅に低下した。ロシア中央銀行の外貨準備のうち、中国債は13.8%、仏国債は12.2%、日本債は10%、独国債は9.5%、金準備は約22%。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月28日