XiZang
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自治区主席:
自治区区都:ラサ
自治区政府の所在地:

地理的位置

     チベット自治区は中国の南西国境地帯、青海・チベット高原の南西部にある。北は新彊ウイグル自治区、青海省と隣接し、東は四川省とつながり、南東は雲南省と相連なり、南と西はミャンマー、インド、ブータン、シッキム、ネパールなどの国と接し、国境線は全長4000`近くもある。自治区全域の総面積は122万平方`余りで、全国の国土総面積の約12.8%を占めている。

一、地理と自然状況
 
 

標高
     チベット自治区の平均標高は4000b以上で、青海・チベット高原の主体をなし、「世界の屋根」と呼ばれている。チベット高原の南側にあるヒマラヤ山の全長は2400`で、平均標高は6000b以上、そのうち標高8848.13bのチョモランマ峰は世界最高峰である。ヤルツアンポ河はチベット最長の川であり、ヤルツアンポ河大峡谷の深さは5382bに達し、世界で最も深い峡谷である。
自然資源 
    鉱物

     
チベットで確認されている鉱物種類は90余種に達する。26の鉱物の埋蔵量が確認され、そのうち11の埋蔵量が全国の上位五位にランクされている。その中にはクロム鉄鉱、リチウム、銅、ホウ素、マグネサイト、重晶石、ヒ素、白雲母、泥炭、石膏、塩、硫酸ナトリウム、陶土、硫黄、燐、カリウム、珪藻土、氷州石、ダイヤモンド、水晶、瑪瑙などが含まれる。
   エネルギー資源
     チベットの水エネルギー、地熱エネルギー、太陽エネルギー、風力エネルギー資源の蓄積量は豊かである。統計によると、チベットの年当たりの天然水エネルギーの蓄積量は約2億`ワットで、全国総量の約30%を占めている。地表水の総量は約3548億立方bで、全国総量の約13.5%を占めている。氷河の水の資源総量は3300億余の立方bである。チベットで開発可能な水エネルギー資源は約5659万`ワットで、全国総量の15%を占めている。チベットの地熱蓄積量は全国で1位を占めている。ラサ市当雄(ダムション)管轄区内の羊八戸(ヤンバジェン)の地熱は現在中国最大の高温湿潤蒸気地熱であり、世界で開発・利用されている大地熱資源の一つでもある。
   植物
     チベットは植物大王国であり、高山植物が5000余種もある。チベットは中国最大の森林区の一つでもあり、原生林の完ぺきを保っている。北半球の熱帯から寒帯までの主要な樹種はここでほとんど見ることができる。森林の蓄積量は20.8億立方b余りで、森林のカバー率は9.84%に達する。よくある樹種としてはマツ、高山マツ、雲南マツ、ヒマラヤトウヒ、ヒマラヤモミ、モミ、ツガ、カラマツ、チベット落葉松、チベットコーテガシワとビャクシンなどがある。チベットの松林の面積は約92.6万fで、そのうちチベットの長葉種マツとチベットシロマツは特有の樹種で、国に保護指定を受けた樹種でもある。野生薬用植物が1000余種もある、そのうち常用薬草は400余種である。よく知られているものには冬虫夏草、バイモ、コオウレン、大黄、オニノヤガラ、サンシチニンジン、党参、秦きゅう、丹参、レイシ、ムラサキナツフジなどがある。鑑定によって確認された200余種の菌類のうちマツタケ、ヤマブシタケ、キバノロの菌、シイタケ、クロキクラゲ、シロキクラゲ、黄色マツタケはいずれもよく知られた食用菌であり、ぶくりょう、松のカンラン、雷丸などの薬用菌もある。
   動物
     チベットに142種の哺乳動物、473種の鳥類、49種の爬虫類、44種の両生類、64種の魚類、2300余種の昆虫類が生息している。野生動物には尾長ヤセザル、クマサル、アカゲザル、キョン、マエガミジカ、野牛、赤ぶちカモシカ、タイワンカモシカ、ヒョウ、黒クマ、野生のネコ、コウライキエリテン、レッサー・パンダ、アカシカ、キバノロ、白唇ジカ、野生ヤク、チベットカモシカ、野生のロバ、アルガリヒツジ、オウヨウ、キツネ、オオカミ、オオヤマネコ、ヒグマ、ヤマイヌおよびバーラル、ユキヒョウなどが生息している。これらの獣類のうちチベットカモシカ・野生ヤク、野生のロバ、アルガリヒツジなどは青海・チベット高原の珍しい動物であり、国家クラス保護動物に属する。白唇ジカは中国特有のものであり、世界の稀少動物の一つでもある。鳥類のうちの黒頸鶴、チベット鶏は国家一級保護動物に指定されている。
観光資源
     チベット自治区は自らの特有の自然と人文の観光資源を絶えず開発・利用し、現在それぞれの特徴を持つラサ、チベット西部、チベット南西部、チベット南部の四つの観光区が形成されている。
     ラサ観光区 ラサ、ヤンバジェン、ダムション、江孜(ギャンズェ)、沢当(ズェダム)、シガズェ・羊卓雍湖(ヤンゾユムツォ)などからなる。ラサはチベットの政治、経済、文化と交通のセンターであり、チベット仏教の中心地でもある。この地のチョカン寺、ラモチェ寺、ポタラ宮、八廓街、ロブリンカと「三大寺」(ガンデン寺、レプン寺、セーラ寺)はラサ観光区の主な名所である。そのうち、チョカン寺、ポタラ宮、ロブリンカと「三大寺」はいずれも全国の重要文化財保護指定を受けている。.
    チベット西部観光区 チベット西部、すなわちアリ地区のことであり、「世界の屋根の屋根」と呼ばれている。この観光区は宗教観光を特色とし、主に普蘭(ブラン)を開港地とし、ネパールとインドの観光者を引きつけており、神山聖湖で観光することになっており、また国内外の敬虔な信者が引きつけられ、ここに来て拝謁している。
    チベット南西観光区 チベット南西部は現在登山観光を特色とする観光区となっており、主に樟木(チャンム)から入国したネパールの観光者を接待し、その人たちを組織してこの地の山川の景観を見て回り、登山活動を展開することになっている。
    チベット南部観光区 ニンチを中心とし、ここで一日じゅう四季の美しい景色を見ることでき、まっ白な積雪に覆われた山、青々と生い茂る原生林、坂いっぱいに咲くツツジの花ととうとうと流れる川、景色が美しいだけでなく、気候も湿気があって温かい。
    新しい観光コースと特色のある観光 チベット自治区はここ数年、新しい観光コースであるラサ−ニンチ−山南(ロカ)−ラサ東の環状コースとラサ−シガズェ−アリ−シガズェ西の環状コースを開拓し、またランドクルーザーでの探険、徒歩観光、科学視察観光など特色のある観光をくりひろげ、またラサの雪頓祭、羌塘(チャタン)の競馬芸術祭とロカの雅ばん文化芸術祭などの観光を押し出している。
    観光施設 1994年年末現在、チベットにはさまざまな旅行社が30、観光ホテルが50あり、そのうち星クラスホテルが7ある。観光用車両は400台もあり、観光業従業員は3000余人に達している。北京、成都、西安にはチベット自治区とオンラインで接続している観光ホテルがつくられ、香港、ネパールと北京、成都では観光事務所とサービススポットが設立されている。1994年、チベット自治区には海外からの観光客が延べ2.8万人余りも受け入れ、営業収入は1.8億元に達し、外貨獲得額は1000余万jであった。
環境状況と問題
     中国のほとんどの地区と比べて、チベットは空気が希薄で、日照は十分で、気温はかなり低く、降雨量はかなり少ない。チベット高原では1立方b当たりの空気の中に酸素が約150−170cしかなく、平原地域の62%から65.4%に相当する。
     チベットの工業とその他の汚染の度合いはかなり軽微であり、環境汚染の問題が発生したことがなく、酸性雨の現象もなかった。チベットは環境に影響を及ぼすすべての建設プロジェクトに対して、「環境影響評価」の制度を実施し、汚染防止施設と主体工事を同時に設計し、同時に施工し、同時に操業するという制度の実行を堅持して、元の一部汚染源も解決された。全自治区の燃料燃焼廃ガスの煙・塵除去率は80%に達している。都市建設は合理的な計画を実施し、庭園の緑化を強化し、ラサ市の緑地カバー率は17.6%で、1人当たりの緑地は12平方bである。
     ここ数年、技術・研究部門はチベット自治区の工業汚染源、野生植物資源、野生動物資源の調査など重要課題を完成した。ラサ、シガズェ、昌都(チャムド)に環境観測ステーションが設けられている。調査と観測によると、当面チベットの環境状況はよい状態を維持している。大気、水の環境は基本的に汚染されていない。環境の放射能も正常な範囲内にあり、いかなる人為的にもたらされた放射性の汚染もない。
環境保護の諸法規を実施
     チベット自治区政府は一貫して自然資源を合理的に開発・利用し、生態環境を保護するという基本的国策を重視・貫徹するとともに、経済建設、都市・農村の建設、環境整備の同時計画、同時実施、同時発展の方針を真剣に実施している。
     ここ数年、チベット自治区人民代表大会常務委員会と自治区政府はまた「チベット自治区の環境保護条例」、「チベット自治区の森林保護条例」、「チベット自治区の草原管理暫定規定」、「水産資源保護に関するチベット自治区人民政府の布告」、「チベット自治区の建設プロジェクトの環境保護管理規則」などの地方的法規と行政的規則を次々と公布し、そのうち野生動物保護面の規則は20余件もある。
     チベット自治区政府の環境保護機構は1975年に設立され、1990年に、自治区の環境保護委員会が創設された。チベット自治区の制定した環境保護の諸法規により、全自治区の自然環境保護の内容には森林、野生動植物、種の保護、生態的農業・畜産業、水源地、自然と人文の遺跡、観光名所、価値のある地質・地形、山峰の保護などが含まれる。長年来、森林保護の面で、山火事を防ぎ山林を保護し、伐採を禁じて造林するということを強化し、大衆的な植樹造林活動を繰り広げている。


 
二、人口と民族
 


人口統計

     1998年末、チベット自治区の総人口は252万人である。
人口増加率
     1998年末、全自治区の人口自然増加率は1.59%である。
平均寿命
     チベット人口の健康レベルの向上は速く、平均寿命は平和解放以前の36歳から65歳に向上した。
民族の分布と人口の割合
     1994年末、チベット自治区は合わせて232万(1998年末には252万人)の人口があり、そのうちチベット族人口は223.6万人で、総人口の96.4%を占めている。漢民族の人口は6.6万人で、2.8%を占めている。その他の少数民族の人口は1.8万人で、0.8%を占めている。チベットは全国でチベット族住民が最も集中している地域であり、全国のチベット族人口の45%を占めている。チベット族のほかに、チベット自治区にはさらにメンパ族、ローパ族、漢民族、回族とシャルパ人などの民族がある。
      メンパ族はチベット高原に居住する長い歴史を持つ民族であり、主にチベット自治区南部の門隅(モンユィ)地区に分布し、一部は墨脱(メド)、ニンチ、錯那(ツォナ)などの県に分散して居住している。
      ローパ族は主にチベット自治区南東部の珞瑜(ロユ)地区に分布し、残りは米林(スンリン)、メド、察隅(ザユィ)、隆子(リュンズェ)、朗(ナン)県の一帯に分散している。
      現在、チベットに居住している回族人口のほとんどは清代(1644−1911年)に、甘粛、陝西、青海、四川、雲南などから移住してきた回族の人たちの子孫であり、少数は中央アジア一帯から来た人たちである。主にラサ、シガズェ、チャムドなどの都市に分布している。その多くは商業、手工業、屠殺業に従事している。
      シャルパ人は主にチャンム付近の立新郷と定結(ティンギェ)県の陳塘一帯に居住している。
      比較的多くの漢民族の人たちがチベット地区に移住したのは清代であり、そのうちの一部はすでにチベット族に同化されている。現在、チベットに居住している漢民族の大部分は中国のその他の省、直轄市、自治区から来た技術者、労働者、教師、医療・衛生関係者と幹部である。
教育レベル
     1998年末までのところ、全自治区の大学・高等専門学校以上の教育レベルをもつ人口は2970人、高校卒の人口は25743人、中学校卒の人口は15.84万人、小学校卒の人口は94.75万人、非識字者と半非識字者は111.19万人である。

 

 
三、経済
 


国内総生産(GDP)
     1998年末までのところ、全自治区の国内総生産は91.18億元であった。
GDP成長率
     1人当たりのGDP 1998年末、1人当たりのGDPは3716元であった。
GDP中の比率
     1998年末までのところ、第一次産業は34.3%、第二次産業は22.2%、第三次産業は43.5%であった。
貧困脱却計画
     内陸部、特に沿海の省、自治区に比べれば、チベットはまだ発達していない地区であり、1998年までのところ、全自治区では21万人の人口が貧困ライン以下で生活し、これは全自治区の農村人口の約9.8%を占めている。
      1993年末に、国は「八・七貧困脱却援助攻略計画」を制定した。すなわち20世紀の最後の7年間に、全国の8000万の貧困人口の衣食住問題を解決することがそれである。1994年に、自治区政府は「チベット自治区の貧困脱却援助攻略計画」を実施し始めた。この計画は人力、物資、財力を集中し、6年間を使ってこの区の48万の貧困人口の衣食住問題を基本的に解決することを打ち出したものである。各クラスの政府の共同の努力と大衆の積極的な参与により、この攻略計画の実施は非常に順調に進んでいる。1994年から1997年末までの4年間に、全自治区の貧困人口は48万から21万に激減し、貧困県は22から9に減った。
      チベットの貧困人口は西部のヒマラヤ山沿いの北麓地区、チベット中部の農業・畜産業地域の結合部、チベット東部の横断山脈地区に比較的に集中している。これらの貧しい地区は生産の条件が非常に劣っており、経済が立ち後れているため、地元の住民の1人当たり純収入は500元足らずで、最低の生活の必要を維持することもできない状態である。
      この貧困脱却援助攻略の中で、自治区政府は、開発によって貧困脱却援助を促し、貧困人口のために生産の条件と生活環境を創造、改善し、それによって自らを発展させ、生産によって貧困から脱却する。これらの措置は政府による投資、地元の大衆が労働を提供する農地、牧草地と水利施設の基本建設、地元の資源を利用する栽培業、養殖業と営林・果樹栽培業、農業・畜産業製品加工業と民族の特色のある手工業などを含んでいる。それと同時に、学校と農業科学技術養成トレーニングコースを次々と開設することも貧困脱却援助計画の重要な内容であると見られている。
      1996年と1997年の間に、全自治区は国の貧困脱却援助資金と自治区の自己調達資金を利用して246の基本建設プロジェクトを興し、総投資額は4.1億元に達した。これらのプロジェクトの実施により、1997年末現在、貧困地区では、9700fの低収量農地を改良し、4000fの荒れ地を新たに開墾し、5.3万fの牧草地をつくり、62本の用水路を新たに掘り、総延長は4000`で、人間・家畜・家禽飲用水施設37を新たにつくった。これらの農業基本建設工事は地元の人民が貧困から脱却するための条件をつくった。
      チベットのほとんどの貧困人口は自然環境の極めて悪い地域で生活し、農地、牧草地、水源が不足し、自然災害が頻繁に発生し、そのため地元の人民は基本的に生産の改善によって貧困から脱却することは難しい。このような情況の下で、他の地への引っ越しと移住は政府の考えた最終の手段である。ここ数年、ギャンズェ県政府は政府の出資を主とし、個人が更に一部を加えるという方法をとって41戸の貧困家庭が山が高くて谷が深く、資源の乏しい地域から年楚 (ニャンチュ) 河開発区内に引っ越すように助け、それによって条件のよりよい地方で生産経営を通じて衣食住問題を解決することになった。1997年現在、シガズェ地区政府はあわせて326戸の貧困家庭の引っ越しを組織し、合わせて2119人で、そのうち76%は短期間で貧困から脱却した。
      ここ数年、ますます多くの貧困県の農・牧畜民は家族の人数が多すぎることが貧困から脱却しえない主要な原因の一つであると認識するに至っている。そのため、地元の政府に避妊用具を配ってくれるようすすんで求めている。仁布(リンブ)県では、政府は貧困脱却を女性の晩婚、遅めの出産、健康な育児の提唱と結びつけている。そのため、この県はここ数年間に次第に貧困から抜け出す中で、人口増加率はずっと1.2%以下を保っている。
      現在、中央政府の直接投資と貧困脱却援助貸付け以外に、チベットはさらに一連の特別優遇政策を享受している。例えば貧困家庭は国の食糧買付の任務を免除してもよいことになっている。貧困家庭は化学肥料、農薬、農業用のマルチフィルムなどの生産手段の補助金および貧困地区の開発プロジェクトの設計、調査測量などの費用を政府が引き受けるなどを享受することができる。
     そのほかに、内陸部各省もチベットの貧困脱却援助活動に参与している。ある省、直轄市は対応援助の対象となったチベットの地区、県の貧困脱却援助活動を自らの経済・社会発展計画に組み入れ、援助される地区のチベット人民と地元の人民が共に豊かになる道を歩くように努力している。
財政収入
     1998年、全自治区の財政収入は3.64億元であった。
工業生産額とその成長率
     1998年の全自治区工業生産総額は12.83億元であった。
農業生産額とその成長率
     1998年の農業総生産額は22.43億元であった。
輸出入の状況
     1998年の全自治区輸出入商品総額は1.2億jであった。チベット自治区は国から与えられた特殊な優遇政策を運用し、民族の手工業製品を主とする工業製品と畜産品の輸出を積極的に拡大している。国有輸出入企業の経営が拡大しているほか、国境貿易市場も発展しているところがある。現在、チベットは中国が南アジアに向かう窓口になっている。
外資の利用状況
     1998年現在、自治区政府の認可した外国投資企業は累計で74社に達し、投資総額は284.49億jであった。契約や、商談するために来た業者はアメリカ、日本、ドイツ、マレーシア、ネパール、澳門、香港などの国と地区からのものである。
国際資金と援助計画
     国連開発計画(UNDP)は1981年から約400万jの援助を提供し、これはヤンバジェンの地熱発電所の建設に用いられている。1989年、国連世界食糧計画(WFP)が干ばつ対策、灌漑条件の改善を主とするラサ河両岸の4県(区)の農業総合開発プロジェクトを援助し、現在全部使用され始めている。ユニセフは321.5万jの援助を提供し、これはチベット自治区の婦人・子供の保健ステーションなど10のプロジェクトの建設に用いられている。1995年に、国連開発計画(UNDP)はチベット西部のチョモランマ自然保護区の聶拉木(ニャラム)、定日(ティンリ)、ティンギェ、吉隆(ギェルン)の4県に農業、住宅、学校、風力エネルギーによる発電、家庭手工業などを含むプロジェクトに対して82.2万ドルの援助を提供することを決定した。
支柱産業
     
鉱産業、農・牧畜業と民族手工業、森林工業、観光業。

 

 
四、電信

 

 


電話保有率
     
1998年の全自治区の電話加入者数は59166戸であった。
ラジオ放送局、テレビ局
     1994年においては、全自治区には二つの放送局、二つのテレビ局があった。

 
五、交通
 
鉄道

     青海・チベット鉄道の一期工事は貨物輸送と旅客輸送を始めている。この鉄道は東は青海省の省都西寧市から、西は格爾木(ゲルム)市の南山口駅に至るもので、全長846.9`で、平均標高は3000b以上で、レールの上部表面の最高点の標高は3700bである。
自動車道路
     ラサを中心とする道路交通網がすでに形成し、全自治区に15本の幹線道路、315本の支線道路があり、総延長は2.2万`である。四川・チベット道路、青海・チベット道路、新疆・チベット道路、雲南・チベット道路と中国・ネパール国際道路は主な幹線である。青海・チベット道路は青海省の西寧市からラサに至り、全長は2122`。四川・チベット道路は四川の成都からラサに至り、全長は2413`。新疆・チベット道路は新彊の葉城県からアリ地区の喝大克(カタイク)に至り、全長は1179`。雲南・チベット道路は雲南省の下関市から芒康(マルカム)県に至り、全長は315`。中国・ネパール国際道路はラサからシガズェ地区のチャンムに至り、全長は736`。
航空
     ラサは北京、成都、上海、広州、重慶などへの国内線とネパール王国の首都カトマンズ行きの国際線を開通させている。そのうち、ラサから成都までのフライトの距離は1100`余り、年間旅客輸送量は延べ10余万人、年間貨物運送量は1600dである。ラサの貢が(ゴンガ)空港は改築によって、ボーイング767が離着陸できるようになっている。2.5億元を費やして建設した世界で最高の標高の邦達(ブムダ)空港も、1994年9月に竣工した。
 
六、外資導入のホット・スポットとプロジェクト
       チベット自治区政府は外国のメーカーがエネルギー、交通、建築、軽工業、紡績、機械・電子設備、商業貿易、食品、養殖、加工、農業・林業・牧畜業の開発と観光業の開発などの面での投資を歓迎し、全額投資企業、合弁企業を経営したり、経済・技術協力を展開してもよい。特に中・長期の投資プロジェクトと効果的な総合開発を歓迎する。チベット自治区政府はまた個人経営者、私営企業が中外の合資経営、中外合作経営企業の経営、「三来一補」(原料委託加工、サンプル委託加工、部品組立て、バーター貿易)業務の従事および辺境住民のバーター取引きをもサポートしている。  
七、外資導入の優遇政策
 

 

法律による保障
     チベット自治区政府は外国業者の投資プロジェクトについて、計画の配置、プロジェクトの審査・認可、関連資金、着工、企業の設立、登録などを優先的に取り扱うことになっている。
      チベット自治区政府は法律に基いて外国業者の合法的権益を保護し、チベット自治区における外国業者の全額投資あるいは共同経営の資産は、中国国内の法的効力を備えた委託書を持つ親族、友人に委託して代行してもらうか、あるいは譲渡し、受け継ぐこともできる。外国業者は国に有償譲渡を望むか、あるいは国が公共利益の必要に基づいて、外国業者投資企業に対して徴収を実施する際には、法的手続に基づいて行い、相応の補償を与える。
      外国業者がチベット自治区内で契約を履行することで発生するか、あるいは契約と関係のある紛争は、当事者が話合いによって解決したくないか、あるいは話し合いを通じて調停できないなら、外国業者がチベット自治区貿易仲裁委員会に仲裁を申請することができ、契約の各当事者の同意を経たうえで国内のその他の省・自治区の仲裁機関、国家クラス仲裁機関と国際仲裁機関に仲裁を申請することができる。
土地の使用
     外国業者はチベット自治区で投資すれば家屋を買い入れることができ、法律に基づいて有償譲渡の形によって外国業者に土地使用権を取得させる。土地使用権の有償譲渡期限は50−70年である。チベット自治区の国有土地を使用する全額外資企業は、経営期限10年以上の場合、認可された建設期限内に、都市の土地使用税を免除する。耕地を占用した場合、耕地占用税を免除する。開業の年度から、8年以内は土地使用税を半減する。経営期限が10年以下の場合、耕地を占用しているものは、耕地占用税を免除する。建設期限内に、都市土地占用税を免除する。合資、協力あるいはその他の共同経営方式の企業は、チベット自治区の現存企業の現存の土地を利用し、あるいは認可を経て新しく国有地を占用して企業を設立する場合、認可された建設期限内は、都市土地使用税を免除し、耕地を占用している場合、耕地占用税を免除する。開業の年度から、8年以内は土地使用税を免除する。生産的開発経営に従事する外国業者投資企業については、土地使用料を徴収する場合、優遇を与える。
      チベット自治区の鉱産資源は法律に基づいて有償採掘を実行する。国の規定した特定の鉱産資源以外、その他の鉱産資源の採掘はチベット自治区政府の認可を経て、外国業者は合弁経営、共同経営と全額投資経営の方式をとって探査・採掘を行うことができる。中華人民共和国の「鉱産資源法」と「鉱産資源補償金の徴収管理規則」に基づいて、さまざまな鉱物を含むすべての鉱産資源(地熱、レンガ焼成用砂岩、建築用砂石、粘土、花崗岩、大理石を含む)、さまざまな経済成分と各種経営方式の全ての採鉱者に対して、いずれも資源税と資源補償金を徴収する。
      輸出入の貨物 政府はチベット自治区の企業あるいは共同経営企業が自治区内外の原材料、半製品と技術設備を利用して中国の近隣国で全額投資企業あるいは共同経営企業を設立することを奨励、支持し、製品は全部輸出する。対外貿易企業が輸入商品を使って国内のその他の省・自治区でチベット自治区の工事建設、その他の生産と生活の必要な物資と商品を交換することを認める。国家が組織して統一的に共同経営し、有償入札を行う輸出商品と国の指定した専業総公司の取り扱う輸入商品以外は、チベット自治区対外経済貿易庁に権限を授けて国の主管部門の認可した輸出入商品の割り当て額の数量に基づいて許可証を発行する。
国境貿易
     チベット自治区内、国内のその他の省・自治区、国外の企業の生産、消費財はいずれも国境貿易市場で取引することができる。輸出入商品の許可証はチベット自治区経済貿易庁から現地の国境貿易管理部門に権限を授けて最寄りの場所で発給する。国境貿易で輸入した商品は、チベット自治区政府の認可を経て、国内のその他の省・自治区で販売することができる。
税収
     外国業者の投資額、投資経営の種類と期限に基づいて、それぞれ工商税、所得税、輸入関税を減免する。外国業者がチベット自治区で生産的企業を興し、その生産経営の収入は、収益年度から、いずれも10%税率に基づいて企業所得税を徴収し、地方所得税を免除する。そのうち、エネルギー、交通運輸、農・牧畜業の生産経営に従事する企業は、経営期限10年以上の場合、収益年度以降、1年目から5年目まで企業所得税を免除し、6年目から8年目まで企業所得税を半減する。農業・畜産業・特産物加工、民族手工業、観光商品およびその他の生産加工に従事する企業は、経営期限10年以上の場合、収益年度以降、1年目から4年目まで所得税を免除し、5年目から6年目まで所得税を半減する。観光事業の開発に従事する企業は、投資金額は500万jあるいは3000万元を上回り、経営期限が10年以上の場合、収益年度以降、1年目から3年目まで所得税を免除し、4年目から所得税を半減する。上述の基準に達していない企業は、1年目から2年目まで所得税を免除し、3年目から所得税を半減する。
      外国業者はチベット自治区に機構を設けないでチベット自治区からの配当金、利息、賃料と特許権使用料およびその他の収入がある場合、法律に基づいて所得税を免除したものを除いて、7%の所得税を徴収する。外国業者がチベット自治区内の企業から得た利潤はチベット自治区で再投資して企業を設立したり、拡大再生産を行ったりし、期限が5年以上の場合、その投資部分の納めた所得税を全額返還し、外国業者の所得税以外のその他の税金は、チベット自治区内の同類の企業あるいはチベット自治区内の企業との比較に基づいて同等に扱う。
      外国業者が人民元で外貨代わりに税金を納めることを認める。外国業者が経営で得た利潤と外国籍を持つ者の個人所得は国外に送金する場合、送金額の所得税を免除する。上述の規定に基づいて所得税を減免してから、製品の国外販売が企業のその年の販売収入の50%以上を占める場合は、企業のその年の所得税を半減する。外国業者は投資総額内でこの企業の建設用の機械、設備、建築材料、部品、素子などを輸入すれば、輸入関税と工商統一税を免除する。外国業者が個人で使用する事務用品、居住滞在のための用品、交通手段などの合理的な数量以内のものを輸入する場合は、輸入関税と工商統一税を免除し、税関が監視・管理をおこなって、輸入許可書を受け取ることを免除する。
      外国業者が自企業の生産用の原材料、補助材料、包装材料、部品、素子などを輸入し、それを加工・製造してから製品を全部国外で販売する場合、輸入関税と工商統一税を免除する。一部国外で販売する場合、その製品の含む輸入材料、部品の輸入関税と工商統一税を免除する。国内販売の部分は関連規定に基づいて輸入材料、部品の輸入関税と工商統一税の半分の税金を追徴する。