一方で、世界のネット情勢の枠組みが大きく変化し始めたとの分析もある。そうであればその過程において中国は非常に重要な役回りとなるだろう。投資家にとって中国のネット人口は巨大な金脈と言える。今年「サンバレーカンファレンス」が李彦宏氏を招いたのは、傲慢だったビッグネームたちが態度を緩め、中国のネット企業から何かを学ぼうと謙虚な姿勢を見せ始めたということの象徴であろう。
サンバレーカンファレンスは歴史的に、世界中の大御所たちが買収や合併、取引などを討議する重要な場となっている。李彦宏氏が中国の企業家として初めて招待を受けたのは、百度の資本市場での事業が極めて順調であることが背景にあるのだろう。株式分割前の基準で計算すると百度の株価はすでに860億ドルを超えており、アメリカ株式市場でも高株価ネット企業の三本指に数えられる。特にこの一年で百度の株価は3倍に膨れあがっており、李彦宏氏が招待を受けたのは、検索エンジンの市場シェアや先進的技術などが評価された当然の結果であると言える。
先日受けたインタビューで李彦宏は、この先5年から10年で百度の収益は国際進出から得られる部分が相当な割合を占めることになると述べた。百度の次なる進出はひとつの市場に対するものとならないかもしれないとし、十数箇所の市場に同時に進出する可能性を示唆している。