アイルランド債務問題でユーロ危機再燃

アイルランド債務問題でユーロ危機再燃。

タグ: アイルランド 債務問題 ユーロ危機

発信時間: 2010-11-23 16:25:42 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

資金不足で建設中止となった不動産

 

アイルランドはその低税率をもって、世界の資金、特に米国資金の欧州への投資の際の中継地点となった。このため、多くのその他のヨーロッパ諸国は以前から、それが不正競争であると大きな不満を抱いていた。ドイツ等のヨーロッパ大国は税率の引き上げを援助提供の条件にしてくるだろう。そしてそれは、まさにアイルランドが最も受け入れることのできないものなのである。アイルランドの専門家の中には、EUではなく、直接国際通貨基金に援助を求めるべきだとする者もいる。

財政政権と通貨政策がそれぞれ独立している状況下では、欧州中央銀行も、その加盟国の財政危機に対して手も足も出ない。しかし、アイルランドの銀行体系にとって欧州中央銀行は、既にその生命線となっている。同銀行は現在もまだ基準利率1%で3ヶ月の貸付を無制限に行っている。アイルランド銀行業の平均10%以上の流動基金がこれに依存しており、その比率は他の国家を大きく上回っている。しかし、EU地域のインフレレベルはすでに2%の警戒線に迫っており、同銀行の今後のいかなる金融引き締め政策も、アイルランド銀行体系の最後の生命線を断ち切ってしまうことになるだろう。

つまり、ギリシャやアイルランド、更にはポルトガル、スペイン、イタリア等の債務問題は全て、根本的問題はやはりユーロの構造的欠陥にある。予算赤字にせよ、税率競争の悪循環にせよ、全て統一通貨政策と独立した財政政策の間の矛盾が原因となっている。ギリシャ危機後の連携的救助行動により、ユーロ地域の財政政策はその調整の第一歩を踏み出したが、道はまだまだ長い。今後も、ユーロ構造に欠陥が残る限り、ユーロ危機勃発は避けられないだろう。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年11月23日

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