資産が富豪に集中する度合いは年平均12.3%の率で高まっており、世界全体の伸び率の2倍であると専門家は指摘する。「中国は富が最も集中する国の一つとなった」
しかし、富が急速に集中する背景には日々拡大する貧富の差の問題がある。中国社会科学院が発行した『2008年社会ブルーブック』では、近年、労働報酬による収入の国民収入に占める率が徐々に下がっていることが示されており、1982年には0.249だったジニ係数が2008年には0.47まで上昇している。中国社会における貧富の差が、国際的に共通認識となっているジニ係数0.4という警戒ラインを超えた形である。
貧富の差の拡大に伴い、都市部と農村部の平均収入の絶対的格差も年々拡大している。人力資源・社会保障部労働工学資質研究所所長・中国労働学会薪酬専業委員会会長の蘇海南氏は『中国新聞週刊』のインタビューで、中国国民の収入格差が全国的範囲かつ多層的に拡大しつつあるという認識を示した。すでに都市部と農村部の収入比は3.3倍に達し、業界間の給与の差も顕著であるという。