株価の上昇傾向は一時ストップ
格付けの引き下げと中東情勢の影響で、日経平均株価は午前、2%下落、終値は1.78%減の10665ポイントとなった。この日まで、日経平均株価は6日連続で上昇していた。
個別銘柄を見ると、銀行に対する投資家の懸念が高まり、銀行関連銘柄が値下がり。その内、三菱UFJファイナンシャルグループは3.62%、みずほファイナンシャルグループは4.05%、三井住友ファイナンシャルグループは4.54%、それぞれ下落した。そのほか、輸出関連株も下落し、トヨタ自動車は2.56%、シャープは3.21%とそれぞれ下落した。
日興コーディアル証券の河田剛シニアストラテジストは「ムーディーズの影響は限定的である。今回の変更により利食いを誘発する可能性はあるが、株価にはさほど影響がでない」と述べた。河田氏の予想では、日経平均株価のサポートラインは10547ポイント付近になるとしている。
フィッツジェラルド証券会社の役員も「日本の格付け見通しが引き下げられたのは警告である。日本の財政問題は今に始まったことではなく、格下げの影響で、投資家が戦略を変更することはない。今年になってから、日経平均株価は4.3%上昇しており、アジアの中でも好調な市場の一つとなっている。」
格付け変更のニュース発表後、ドル・円相場は83円47銭まで一次上昇したが、その後徐々に下落。アナリストは「市場では最近、リスクを嫌う動きが広まっており、リスク回避のために円が買われている」と述べた。バークレー銀行東京支店の山本雅文チーフFXストラテジストは、ムーディーズの格付けが日本円に与える影響は限定的で、日本円が売られたのは一時的なものであると述べた。